▽ プロローグ
ザッ ザッ ザッ
少年「ハア、ハアッ…!」
夜の森の中を駆け抜ける少年がいた。
その表情には焦り、恐怖が見える。追われているのだろう。
石か枝か、何かに足を取られて少年は転んだ
少年「…ッ! っう…」
「オイオイオイ、ここまで逃げてどうするつもりなんだぁウサギさん?」
少年の後をつけて、身軽な男が現れる
少年「だ、誰か……」
男「バーカ。助けなんて来やしねぇよ。どこだと思ってんだ?アタマ弱いんじゃねぇのか?んじゃ、ちょっくら腕、失礼しますよっと」
少年「っ!! は、放せ!やめろ!」
男「活きの良いヤツは高くで売れるからな。価格を下げるようなマネはしたくねぇ。オラ立て!おとなしくついて来な!」
少年「や…嫌だ…!助けて!!」
――――その時
狼の遠吠えのような音が森に響き、辺りを霧が覆った
その霧の中から、草木を掻き分けて、赤い大柄の男が現れた
男「何だテメェ!」
赤い男は動じることなく、ただ佇んでいる。
いがみ合っていた2人だが、突然、身軽な男がうろたえ始めた
男「あ、アンタ…もしかして……森の…言い伝えの…… ヒィッ!!み、見逃してくれぇ!!」
少年「あ、ありがとう、ございます。貴方は……?」
赤い男は何も言わず、少年に向かって微笑みかけ、去っていった
少年「…………。……カッコいい、な…」
《ギルド シュリンクス》
ウィーン トコトコ
少年「ここでいいのかな……あの、すみません!」
女性「…あら?どうかしたかしら、かわいいウサギさん」
少年「ここのギルドに入りたいんです。どうすればいいですか?」
女性「あらあら、ずいぶん直球に言うのね。わかりやすくていいのだけど。
登録だけなら簡単だけど、それなりに仕事をしてもらわなきゃいけないってことはわかるわよね?見たところ貴方、ずいぶん若いけど」
少年「はい。そのために来たんです。俺はギルドで人のために、できることをしたいんです」
女性「まあ、なんて真っ直ぐな目なの。私、真っ直ぐな男の子は大好きよ。ここで立ち話は何だから、中においでなさい」
少年は事務室のような場所に案内された
女性「私は
ユモン。任務の管理と人事をしているわ。よろしくね」
少年「よろしくお願いします」
ユモン「それじゃあまず、貴方のことを教えてもらおうかしら。貴方の名前はなぁに?」
名前:リーブル
ユモン「
リーブルくん、ね?」
『はい』
『いいえ』
『いいえ』
ユモン「んも〜、嘘つかないで。お遊びが好きなのはわかったけど、ここだってちゃんとした機関なのよ。もう一度聞くわよ。貴方の名前はなぁに?」
『はい』
ユモン「とっても素敵な名前!気に入っちゃったわ」
ユモン「さてさて、じゃあお仕事の流れを説明するわね。このギルドは、各場所から来る救助要請だったり、調査依頼だったり、そういうものを承る場所。ギルドに来た仕事は私が整理して、ここの掲示板に貼り出すわ。試しに見てみて」
掲示板
『森の盾』
分類:任務
レベル:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
依頼主:ユモン
ユモン「仕事は指名がないものに限り、好きなものを引き受けることができるわ。これは仕事の1つ。上から説明するわね。
タイトル。私が勝手につけちゃう仕事のタイトルよ。ネーミングは気にしないでね。
分類。ここで受けられるものは、ギルドから与えられる任務、個人からお願いされる依頼の2つに分けられるわ。区別はできるようになってるけど、よっぽどのことがない限りは受けたものを辞退することはできないから、間違えないように気をつけてね。
レベル。当然のことながら、仕事には難易度が存在するわ。星の数が増えれば増えるほど難しくなるから、受けるときによく見ておいてね。
依頼主。この仕事の依頼者よ。仕事はまず依頼主から詳細を聞く必要があるわ。内容は大雑把になら私が説明するけど、直接依頼主とコンタクトを取る方が詳細がわかるわよね。仕事の報酬も依頼主が出すわ。仲良くなるとちょっと色がつくかも?」
ユモン「こんな感じ。どう?わかったかしら?」
『わかりました!』
『もう一度お願いします…』
『もう一度お願いします…』
ユモン「あらあら。じゃあもう一度説明するわね」
『わかりました!』
ユモン「いい返事ね!ますます貴方のこと気にいっちゃいそう!」
ユモン「受けたい任務があったら私に言ってね。これで説明はおしまい。これから部屋を手配するからちょっとだけここで待っててくれる?」
リーブル「ありがとうございます!」
翌日
リーブル「…任務か。簡単なものぐらいなら受けてみようかな」