お疲れ様〜どっちがご褒美?〜
どんより、そんな言葉が今の私にはお似合いだ。
日々の多忙すぎるお仕事の所為で肉体的にも精神的にももうボロボロなのである。
「…しにたい。」
「花子さん…」
そんな私を心配そうに覗き込んでくる私の天使アズサ君。
はの字に垂れ下がった眉さえ可愛すぎる。
「花子さん…辛いなら、俺の事、好きにしていいよ?ぶってくれても構わないよ…?」
その細い両手で私の手を包みニッコリと微笑んでくれるアズサ君に私はどんよりとしたオーラをそのままに口を開いた。
「………言ったな?」
「…え、花子さ、ぅわ」
全身の体重を思いっきりアズサ君に振りかけてそのまま二人してベッドの上にダイブ。
ふわふわのベッドだから痛くないのに、それでもアズサ君は私をかばうようにしてしっかりと抱きとめてくれている。
何が起こったのか分からず私を抱き締めたままされるがままのアズサ君。
うーん可愛い。
「花子さん…?」
「ん〜…」
ぎゅうぎゅう。その細い身体を確かめるように力いっぱい抱き締めて一通り満足したらもぞもぞと移動して彼のその白い頬にすりすりと頬ずりをする。
そしてもふもふと彼のきめの細かい髪の毛の香りを堪能すればちゅっちゅ、と瞼、鼻先、頬、唇へとキスを落とした。
「え、アレ?え…?」
「だって、アズサ君、アズサ君の事好きにしていいって言ったもん。」
困惑の表情を隠せない彼にぶすっと頬を膨らませて反論して
まだ足りないと、今度はその手と指、首筋に口付けを落とす。そしたら聞こえてくる甘い声。
「花子、さん…」
「駄目だった?」
「ううん、ダメじゃない…駄目じゃない…けど…」
顔を真っ赤にして目を泳がせて
気まずそうな彼にいけなかったのかと問うてみても只々曖昧な答えしか返ってこなくて
けれどその細くて今にも折れてしまいそうな腕は緩やかに伸びてきて私を捕えてしまった。その腕は動揺からか微かに震えていた。
「駄目じゃない、けど…これじゃ…俺が、ご褒美…もらってるみたい…」
「…え?」
「だって…俺…花子さんに…触れてもらうの…だいすき、だから…」
えへへ、とはにかんでそんな事いうものだから
もう私の脆くて儚い理性は易々と臨界点突破した。
「アズサ君、今夜は絶対寝かせない!」
「うん、いいよ…平気…でも、」
がばり。
一瞬で私の視界が逆転したと思えば一面に広がるのは悪戯が成功したかのような可愛らしいアズサ君の満面の微笑み。
「俺も、男…だから…ね?」
「やだもう格好いい大好き。」
可愛らしいのにギラついたその瞳にもう私は完全ノックアウトだ。
ぎゅっと抱き付いてその冷たい身体を引き寄せてもう一度唇にキスをすれば彼はまた嬉しそうに微笑むのだった。
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