長男のKOTATSU
そう言えば最近シュウの野郎の機嫌がいい。
いつも寒い寒いとぼやきながら所かわまず眠っていたはずなのに…
「おい、シュウ。お前何か最近良い事でもあったのか?」
「あ?ああ…そうだな、コタツを手に入れた。」
純粋な疑問を本人に投げかけてみると帰って来たのはそんな言葉。
こ、コタツ…?そんなもんこの家にあったっけか…
つーかあんなの屋敷の景観が崩れるとかなんとか言ってレイジが置くことを許さないだろう。
けどシュウはそんな俺を無視してそのお気に入りであろうコタツについて語りだした。
「大体、36度位でさ…」
「は?」
コタツってそんな温度なのか?
ていうか計ったのかよコイツ。意外と細けぇやつなのか?
「すげぇ柔らかくて…うん、ぷにぷにしてる。」
「ん?」
や、柔らかい!?
俺の知っているコタツはそんな感触がするものはなかったはずだが…
何だ最新式のコタツっつーのはすげぇな!
…今はやりの低反発素材なのか?
「んで、いい匂い…する。」
「いい匂い!?」
もはや未知の領域だ!アロマ機能までついてんのかシュウのこたつは!
心を癒すお手軽コタツってか…今どきの人間界は侮れねぇ。
「あと、すげぇうまい…」
喰 う の !?
しょ、食用のコタツっていったいどんなのだよ。
シュウの語りを聞けば聞く程その謎のコタツがどんなのかすげぇ気になってきて仕方がない。
若干混乱し始めた俺は必死に今までの情報を整理しようとするがどうもそのこたつ像がうかんでこない。
「シュウくーん!」
「あ、来た。」
不意に嬉しそうな声が聞こえてそちらに顔を向けると
にこにこしたシュウの彼女である花子がこちらに向かって走って来た。
シュウは若干その顔を緩め、彼女を抱きとめてそのまま抱き締める腕に力を込める。
「ん…やっぱり花子はあたたかいな…」
「ねぇねぇ、スバル君となんの話してたの?」
「んー?」
花子の首筋に顔を埋めぐりぐりと気持ちよさそうに動かしながら
ちゅ、と一つ彼女のそこにキスを落としてとんでもない一言。
「花子の話してただけだけど?」
…は?
はぁぁぁぁあ!?
つーことはアレか。今まで話してたお前のお気に入りのコタツはアレか
36度の柔らかい、いい匂いの食用コタツは花子の事か!
と言う事はつまり…つまり!
呆然としている俺をよそにシュウは花子の肩を抱いて足を自身の部屋へと向けて
クルリとこちらへと顔を向け、ニヤリと笑った。
「スバル、お前もそろそろ自分のコタツ、手に入れれば?」
「の…っ、の…っ、惚気てんじゃねぇぇえ!」
俺の盛大な叫びは屋敷中に響き渡り
花子は首を傾げ、シュウは声を出して笑った。
嗚呼、今なら…今なら俺にも分かるこの感情。
アレだろ?ナントカ爆発しろってやつだろ?
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