無加減長男


私はシュウ君が大好きで大好きで溜まらない
愛してる。
それはシュウ君も同じで凄く嬉しくて幸せ…





幸せなんだけど








「穀潰し消えろ」



「おいなんだその言い方……ちょっとそっち寄りなよ花子」




今私は生まれたままの姿でベッドの中。
わざとらしく真ん中で寝転がっているのはそんな私をじっと見下ろしている最愛へのせめてもの嫌がらせだ。




「だ、だって毎回毎回…!こんな何度も激しく抱かれる私の身にもなってよね!!ちょっとは反省してよシュウ君!!」



「は?寧ろ絶対に何が何でも動こうとしない俺が花子を抱く時だけは動いてやってるんだから感謝するべきだろいいからそっち寄れ俺だって寝たい」



「少しは加減しろって言ってるんだよ今日はぜーったい寝かせない!!好き放題抱くの反省しない限り床で寝ればいいんだごくつぶシュウ君め!!」



「いや、俺のアレが穀潰しじゃないのは花子が身をもって知って、」



「うううううう煩い!!シュウ君ってそういう所デリカシーないよねっ!」





私がベッドの真ん中を占拠しているせいで何よりも睡眠を愛するシュウ君が愛しのベッドちゃんから追い出されている上で
湯上りぽかぽかのまま私を見下ろして抗議するけれど、今日と言う今日はそんなの聞いてあげない。



私がシュウ君を大好きなのと一緒でシュウ君も私の事を大好きでいてくれる。
それはとても嬉しくて幸せな事…な筈なんだけど
シュウ君が私を好きすぎていつだってこういう事の後私は再起不能状態だ。所謂抱き潰されてます状態。
ねぇ誰なのシュウ君をダル男とか穀潰しとかニートとか言っちゃってる人…
私との夜はいつだって24時間働けそうな元気いっぱいシュウ君なんだけど?




「花子、俺眠い。」



「床で寝ればいい。」



「さっきまで愛し合ってた相手に言う言葉かよ。」





なので今日と言う今日は反省してもらおうと
彼が抱き潰して動けない身体を最大限まで利用してベッドを占拠してやったと言う訳だ。
どうだシュウ君!愛しのベッド君は私のものだ!!
もうこうやってベッド君を占領されたくなかったら今後少しは優しく抱いてくれるに違いない。
と、心の中で自身の素晴らしすぎる作戦にどや顔をしていれば不意に出来る私の上に一つの影






ぼふっ




「ぐえっ!?」



「…………ぐぅ」




その影に何事かと思う暇もなく体にのしかかってきた重みに潰れたカエルのような声が出てしまった。
押しつぶされた体は動けず視線だけを移動して重みも招待を見やればそこにはまさに性的に肝心な時だけ動きまくる都合のいい長男がひとり。



「ちょ、ちょっと!!!わ、私の上で寝ないでよ!!重い!!!シュウ君重い!!!」



「なんだそれ俺がデブみたいな……花子が退かないのが悪い」



「誰のせいだと思ってんだ!!!!」



残念な事に体はシュウ君に滅茶苦茶に抱かれてしまって動かすことが出来ないで
せめて声だけはうるさくしてやろうと叫び散らしてもシュウ君は私の上で微動だにしない
チクショウ!!反省させたかったのに反省させるどころか私がピンチ!!潰れる!!



「うわああん!!シュウ君どいてよー!!苦しいよー!!!」



「やぁだ、」



「うぉわ!?」



いい加減にしろ、本気で潰れると言う意味を込めて喚けばお腹のあたりにもぞもぞと腕を回されて変な声。
何だろうって思ってじっと彼を見つめるとクスクスと小さく笑って甘い表情でじっとコチラを見てた。




「ほーら、花子……入れて?」



「チクショウ!!どうぞ!!」



そんな甘えん坊な顔は反則だ。
私がお願いを聞かない訳がないって言うのを彼は知っていてわざとやっているのだろうか。
そんな悔しい気持ちで、でもシュウ君の甘える顔可愛いって乙女心を爆発させながらも動かない身体をもぞもぞ動かして移動する意思を伝えれば漸く上の重みは軽くなって
替わりに全身に心地よい圧迫感が生まれた。



「ったく……最初からこうしてればいいのに」



「だって…いっつも加減してくれないからさー…ちょっとは反省してほしくて」




心地よい圧迫感の正体は紛れもないシュウ君の腕
私が頑張ってちょっぴり移動してあげたらすかさずすぽんとベッドとシーツの間に入り込んで来てぎゅうって抱き締めてくれるのは大好きだけど…
ううん、なんだか負けた気がして悔しくて仕方がない。



むすっとふくれっ面を決めて見ればそんな私にシュウ君は少し困ったように微笑んで私の唇を奪った。




「だって愛しい花子を抱けるってさ……嬉しくて堪んないから手加減って文字はない」



「よしわかったこれからも思いっきり抱けばいい」



「ふはっ、花子ってチョロイ」



「うるさいよ!!!シュウ君がそんな顔をするのが悪いんだ!!!」



彼の言葉に思わず即答してしまえば彼は酷い言葉と共に小さく笑うけれど仕方がない。
そんな顔……されたら私じゃなくても「存分に抱けよ」って言うに決まってる。
まぁ、そもそも私以外を抱かせる気なんて更々ないけれど。




「シュウ君ってその顔わざとなの?確信犯なの?」



「は?どの顔?」



「畜生!!!無自覚怖い!!!」




私を抱くのに出加減できない理由を語ったシュウ君の表情…
あんなの誰にも見せたくない。







“だって愛しい花子を抱けるってさ……嬉しくて堪んないから手加減って文字はない”





その瞬間の貴方の顔は
本当に幸せそうで……とても、愛しい顔をしていたので、



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