シュガー×しゅがー×sugar


今日は珍しく朝から頑張って起きた。
話題のカフェにどうしても行きたくて。
勿論道連れの生贄だってキッチリご覧の通り用意している。



「うふふ、おいしいですね。」



「ぁー…ぅー…」



「………」




甘すぎない上品な味のイチゴのタルトを一口。
そして目の前の上を向いて涎を垂らしてうっつら眠っているふわふわ金髪シュークリームと
もう既に突っ伏して夢の世界のおなじくふわふわ銀髪わたあめ君に小さく息をついて思いっきり手刀をお見舞いしてやる。



「ふが!」


「ってぇ!」


「カフェで眠らないでください、シュウさん、スバルさん」




彼等とはよく学校の図書室で一緒の時間を過ごしている。と言っても図書室の正し使い方をしているのは私だけだが。シュウさんは大きな音でクラシックを聴いているし、スバルさんに至ってはずっと眠ったままだ。そんな二人にどうしてまた図書室にずっと居座るのかと以前尋ねたら「花子と一緒に居たいから」と同時に宣言して大ゲンカが始まったことは今も記憶に新しい。




「ホラホラ、おいしいですよ。スバルさん、どうぞ」


「ん」



ひょいっとタルトを一口掬ってやってスバルさんの口へと放り込むと彼は何も文句を言わずにもぐもぐと食べてくれて優しく微笑んでくれた。嗚呼、こういうのってとっても幸せだと思うのです。




「なぁ、花子。俺には?」


「シュウさん甘いの嫌いじゃないですか。」


「花子のは別…ん」


ぐい、と
強引に私が食べようとしていたタルトを自身の口へ持っていったシュウさんに思わず苦笑い。いつもはなんだかんだ言って大人びているくせしてこういう時は本当に子供なのだから。


「ぁ…」


ふと自身のお皿を見てみればもう空っぽで、ちょっとしょんぼり。甘すぎるのは苦手だけれど、ココのタルトは本当においしかったから残念だ。するとそんな私を見てシュウさんは意地悪に笑っていきなり私の口に何かを放り込んだ。


「ぅむ…、ん…おいしい。」


「…っ、俺のもやる。」


「むごっ!」




どうやらシュウさんが私に放り込んだのは彼のケーキだったようでそれをみたスバルさんが負けじと更に私に自身のケーキを押し込む。
私の口は物置小屋ではないのだけれど…



「今日はありがとうございました。」




ペコリとお辞儀をすると何も言わずに優しく頭を撫でてくれるスバルさん
彼のこういう不器用だけれどとても優しいところはすごく好き。そして顔を上げるとシュウさんが優しく手を取って軽くそこにキスをしてくれた。


「なぁ花子、朝っぱらからお前の我儘に付き合ってやった俺達へのご褒美は?」


「…優しくしてくれますか?」


「あったりまえだろ?バーカ。」


コツンとスバルさんが私の額を小突いて意地悪く微笑んだのを合図にシュウさんはそのまま手首にその鋭い牙をゆっくり突き立てた。


「…っ」


「平気か…?ん、少し…我慢してろよ…」



スバルさんは力の抜けそうな私を後ろから支えてくれてそのまま首筋へと牙を立てた。
正直なところ痛くはないのだ。どちらかと言えばふわふわと体が浮いてしまうような感覚に似ている。



それは多分、私が愛されている証拠なのだろう。
嗚呼、とても…とてもくすぐったいよそんな感情。



咽返る自身の血の香りに酔いながらもぼんやりと考えを巡らせていれば
時折降ってくる甘い甘い口付けにもう眩暈がしそうだ。


「甘すぎるのは苦手って…言ってるじゃないですか…」



二人に砂糖漬けの様にドロドロに愛されてしまって
私は一体これからどうすればいいのだろうか。
解けそうもないそんな問題さえきっと貴方達は砂糖みたいに溶かしてしまうのでしょか。



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