ギブアンドテイク


「んもおおお!シュウ君の馬鹿!世の中にはギブアンドテイクって言葉あるの知らないの!?」


「はぁ?何いきなり…ってちょっと、暴れるな。」



もう我慢の限界を突破していた私は彼の腕の中で大暴れだ。
現在シュウ君のお食事タイムというお色気満載の吐息付吸血タイム。


「もうもう!いつも私の血吸ってばっかりで何にもご褒美なしとか!!もうヤダ!シュウ君に血あげないもん!」


ぐいっと全力で彼の体を押しのけてシュウ君のベッドの上でゴロンとねころがってシーツを頭からかぶってふて寝。
せめてさ、ありがとうの一言ぐらいあってもいいんじゃないの?
全く…本当に私ってばシュウ君の都合の良いエサすぎる。



「ギブアンドテイク…ねぇ。」



小さな彼のそんな言葉が部屋に響いたかと思えばギシリと沈むベッド。
何事かと思ってシーツから顔を出すと、とんでもなく近くにあった整い過ぎた綺麗なお顔に私の顔面は赤く染まる。



「しゅ、シュウく…んぅ、」



「ん…は、…んん…花子、」




角度を変えながら何度も何度も深く口付けをされてしまってはもうどうする事も出来ない。
只々酸素を求める為に本能的に口を開けばそれさえも彼の舌で塞がれてしまって
苦しくて苦しくてお願い、もうやめてくださいと何とも彼の背中を弱弱しく叩く。



「ん…もうギブアップなの?」


「あ…ふぁ…シュ、…?」



突然の出来事に頭がついて行かずに彼の下で只々先程の口付けの余韻に浸っていれば
むにっとその綺麗な指で私の唇が弄ばれてしまう。



「花子がいつも血を提供してくれてるから…代わりに俺の愛を花子にあげる。」



「しゅ、シュウ君…?」



「ああでも、高貴な吸血鬼様の俺の愛とか…この血だけじゃ払いきれないな…」



そっと先程まで吸血していた首筋にシュウ君の唇を落とされてしまい
どうしても抗えずに甘い声を出せば低い声で笑われてしまう。
嗚呼、もう…すっごく恥ずかしい。



「なぁ花子…俺の愛をあげるから…お前の血と愛と体…全部俺に寄越して?」



…ねぇねぇ、なんでそんなに綺麗な顔で、なんでそんな優しい声で
そんな酷くときめく事言っちゃうの?シュウ君。
そんな事言われてしまえばもう私、本当に全部を貴方に捧げてしまいそうになる。



貴方の愛を受けることが出来るのならば、こんな血や愛や身体…
すぐにでもその手に引き渡してしまいたい気分よ。



「私の全部で…足りるかなぁ」



小さくそう呟けばその言葉は本人の耳に届いていたようで
シュウ君は嬉しそうに微笑んで、先程とは違った優しい、触れるだけの口付けの後にじっと私の目を見て笑う。



「十分、足りるよ。」



彼のそんな言葉に、ならばと私は自らその綺麗で白い首に腕を絡めた。



ねぇ私達、互いに愛を与え合う
ギブアンドテイクの関係になったのね…。



「シュウ君、あいしてる」




早速と言わんばかりにそんな言葉を紡げば
「俺もあいしてる」と耳元で囁かれて私は満足げに微笑んで
もう一度吸ってくれと、彼の唇を自らの首筋へと押し当てた。



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