1:事の発端
「これは由々しき事態だな…」
「う、ふぇ…うえぇぇん…」
今私はルキさん達の前でボロボロと涙を流しながらへたり込んでしまっている。
今日たまたま学校の行事で帰りが遅くなってしまい真っ暗な夜道一人で帰っていればその…変質者というものに遭遇してしまったのだ。
変態にはライトさんで慣れているって思っていたけれど全然そうじゃなくて
本当に怖くてどうしようもなくて震える足で全速力で逃げ帰って来たのだけれど
実はこの行事というモノが月曜日から金曜日まで続いてしまっていて私の帰りも必然的に遅くなってしまうと言うか
変質者と遭遇した時間になってしまう訳で…
「もういーじゃん。花子ちゃん、他のクラスメイトに任せて早く帰っておいでよ。」
「うぅ…で、でも私も…頑張りたくて…その、」
コウさんが泣いている私の前にしゃがんで困ったように言ってくれたけれど
私だってこの行事にみんなで参加したい。
だから他の子達に自身に割り当てられた仕事を押し付けれ自分だけ早く帰るとかはしたくない。
「集団で帰るとかはできねーのか?」
「わた、私だけ都合の良い事に帰り道がみんなと逆なので…」
ユーマさんが大きな手で私の頭を撫でて慰めなら提案してくれるけれどそれも少し難しい。
なんで私だけ帰り道が違うのだろうか…うん、だから変態に狙われるんだろうけれど。
「ねぇ…ルキ…この一週間だけ…花子、を…迎えに行っちゃ…だめなの?」
「…それだ」
「え?」
アズサさんが悲しそうな顔でそう言えば先程から頭を抱えていたルキさんがハッとした顔で
嫌な予感しかしない単語を並べてしまう。
「花子、この一週間だけで申し訳ないが俺達が日替わりでお前を迎えに行こう。それならば変質者も襲ってはこないだろう。」
「え、あの。で、でも…ご、ごめいわく…」
「異論は認めん。」
「は、はいぃ!」
そんな日替わりでこんな美形な人たちが迎えに来るとか心臓に悪すぎるから遠まわしにお断りしようって思ったら
ルキさんが人を殺しそうな目つきで私を睨んだからもはやお断りは出来ない状態になってしまった。
…この一週間、下校が一番恐ろしい時間になりそうだ。
「その変質者を殺さないだけマシだと思ってもらいたいな。」
ルキさんの口から物騒すぎる言葉が聴こえたけれど敢えて聞かなかったことにした。
だってすっごく怖いんだもの。
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