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今すぐ会いたい…
もっと声が聞きたい…
そう思うのは私だけ…?
ねぇ本当に好きなの…?
寝付こうと布団に潜ってみても気になる枕元の携帯。
画面が明るくなった気がして…
君からの連絡が来た気がして…
何度も目を開けてしまう。
いっそのこと、別れてしまえれば楽なのかもしれない。
忘れてしまえるならこんな気持ちになんか、なる必要がないのに…
もう寝ることを諦め、起き上がる。
寒いとは思っていたけど、窓の外には雪がちらついている。
…雪は嫌い。
君と、手を繋いで歩いたことを思い出すから。
毎日一緒にいたことを思い出すから…。
一人分のマグカップ。
…君がいる時は必ずティーポットで入れる紅茶も一人じゃ適当なティーバッグ。
暖かいお湯を注ぐと顔に触れる湯気。
なんでだろう?君の分も入れている時には幸せな気分になれるこの暖かさも、一人分じゃ感じられないよ。
…一人空回りして馬鹿みたい。
いつだって好きなのは私ばっかり。
会いたいって思っているのもきっと私だけ…。
君だって会いたいと思ってくれているなら…ねぇ【今すぐに来て】
そう無機質に絵文字もつけずに送った心からのメールも【忙しい】の一言だもんね。
一口お茶を飲めば少しは落ち着く。
でも体は暖かくなっても心は寒いままだよ…。
思わず膝を抱える。
知らなすぎるよ私の気持ち。
もっと欲しいの君の気持ち。
携帯のバイブが鳴る。
慌てて画面を確認すると君の名前。
「…シュウ?どうしたのこんな時間に…」
『彼女に電話して悪い?』
「悪くないけど…忙しいんでしょ?」
『…あぁ今日は特にな』
悪態をつきながらも喜ぶ気持ちが隠せない。
私ってこんなに単純だったっけ…
『雪…降ってるな』
「…そうだね」
『外出て見てみろ』
しぶしぶ近くにあったカーディガンを羽織り傘を持ち、外へ出る。
そこには雪の中に…
「シュウ……っ!!」
思わず走りだし、君の胸の中で泣きじゃくる。
会いたくて…会いたくて…
『花子に会いたくて、今日は忙しかった』
「もっと……」
もっと愛の言葉を聞かせてよ私だけに。
曖昧なセリフじゃもう足りないから…
もっと君の心の中にいたいよ。
どんな時でも離さないで…。
fin
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