飽きる訳無いじゃないですか!


逆巻シュウさんと屋上で出会って数か月、私の学校生活は一変した。偶々行った屋上で一目見て惹かれて、少しだけでも良いからお話ししたいなと思った。

最初の数日間は無視と煩いのオンパレード、声を聴いた瞬間なんて綺麗な声なんだろうと感動して、ちゃんと話してくれるまではずっとストーカーちっくな事をしてやろうと思った。無視と煩いのオンパレードから、勝手にしろの週間に入った。お弁当と食べようとして、態々友達からの誘いを断って屋上へ行って近くへ行ったり、本を読むだけなのに1cmずつ近くへ寄って読んだりと好き放題した。ずっと続けて、数か月、私はやっとシュウさんに名前を憶えて貰える事が出来たのと、少しだけどお話しする事が出来た!

で、今日は私の誕生日。友人達からプレゼントを貰ったり、おめでとうとお祝いしてくれたりと気分が良かった。今日もいつものように屋上へ行って、シュウさんが寝ている数センチ前まで行って座った。



「またあんたか。よく飽きないな」

「私、ちゃんとお話しするまでこうやって毎日来るって決めたんです!」

「ふーん、勝手にすれば?」



寝る体制に入ったシュウさん。シュウさんは今日私の誕生日って事を知っているのかな?一昨日からずっと此処へ来て、ちょこちょこと「明後日誕生日なんですよねー」とか言って、密かに祝ってくれるのかなと期待したけど、この様子だときっと……しないだろうね。

チラチラとワザとシュウさんを見てちょっとでも「何?」と言って貰えるかなと期待したが、何にも言わない。まあこっちが勝手に期待している事だもんね、諦めようと思って、スカートに付いたゴミを取ろうとしたら、ククッとシュウさんが笑った。



「あんたホント分かりやすいんだな」

「えっ?」

「今日、あんたの誕生日なんだろ。」

「!! 憶えていてくれたのですか!!」



憶えていた事に喜んでいたらシュウさんは「餌あげた犬のように喜ぶんだな」と口角をあげて笑っていた。犬って…と思ったけど、憶えていてくれたなら、ちょこちょこと言った甲斐があった!!



「ほら、毎日のように来る変態へのプレゼントだ」

「へ?うわうわうわ…!」



急に何かを投げられて、驚きながら取った。それはぐしゃぐしゃにした紙。見た目はもうゴミみたいだけど……中を開けたら、“好きにしていいよ券”と書いてあった。



「“好きにしていいよ券”ってなんですか?」

「そのままの意味だけど。」

「えっ、まさか私がシュウさんを好きにしてもいいって事ですか?」

「理解が悪い女だな……そうだけど。」



す、好きにしても良い……したかったあれやこれをやっても良いって事なんだよね!?見た目はゴミっぽいけど、中は世界に一つしか無い、しかもシュウさんからのだから、かなりのレアだ!!嬉しくなってぎゅっとその紙を抱きしめた。



「この紙って期限とかあるんですか?」

「……花子が俺を飽きるまでだな。」

「!?! 私がもし飽きたら……もうこの券は無かった事に……」

「そうだ。まさかとは思うけど飽きる訳無いよな?」



怠そうに寝ていたシュウさんが、いつの間にか私の前に居て、意地悪に質問してきた。ふふっ、答えなんかもうとっくの前から決まっている。シュウさんの事を……



飽きる訳無いじゃないですか!!
(「早速ですが、券を使いたいです!」)
(「何?」)
(「シュウさんを膝枕したい!!後、今後もずっっっと名前で呼んで欲しい!」)
(「なら膝出せば、花子。」)
(「!! はいっ!」)
(「言っておくけど、券は1日1回だからな。」)
(「!! 嘘?!もう使っちゃった……」)
(「……嘘だよ、ばーか」)



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