これからも宜しくダル男さん


毎日同じ時間に学校に行って、同じ時間に授業を受ける。皆はそれを普通に変と考える事無く、いつもの日常だからと言って同じ事を繰り返していた。私はそれを疑問と思っていた。たまには1分1秒遅く初めても良いんじゃない?皆きっと驚いて「えっ、先生どうしたんだ!?」とか言ってパニクるだろうねと思ったら、笑えて来た。

最近、廊下を歩いていると“逆巻シュウ”という人物の噂を耳にする。授業に出ないとか留年したとか、頭が良いとかイケメンとか、良い噂しか聞かない。そんな人がなんと屋上で出会えるらしい。頭が良いのに授業で無い上に留年したとか、何その面白い人は!と思って興味が湧いてきた。が、女子の友達が極端に少ない私は、噂を聞いた子達に聞く事なんて出来なかった。女子だけじゃなくて、極端に友達が少ない。居たとしても中学校まで一緒だった子ぐらいで、この学校に来てからは……0だった。



「はあ、別に居なくたって困って無いしね。さて、噂の逆巻シュウとやらを探しに行くか!」



授業なんてクソくらえだ!なんて思って、そのままサボった。最初授業をサボった時は怒られないかなとビクビクしたけど、誰にも気づかれる事無くサボる事が出来た。まあ、授業に着いて行くのはちょっと大変だったけど、サボるのは楽しかった。それからは出たく無い時サボったりしているけど、今の所成績は下がってない。まあ、これが親に知られたら説教されるかもしれないけど…!色々と考えていたら、屋上へ着いた。キョロキョロと辺りを見ても、人が居ない。屋上のはしごを登ると、金髪でぐーぐー寝ている人が居た。この人が逆巻シュウなのか?



「ねえねえ、そこに寝てる人、逆巻シュウって言うの?」

「………」

「ねえってば!!」

「……煩いんだけど」

「やっと、返事してくれた。あんたが噂の逆巻シュウなの?」

「だったら何」

「いや、噂通りのイケメンでビックリしてるだけ。なんで授業出ないの?」

「お前には関係ないだろ。そういうあんたこそこんな場所に居て良いのか?」

「私は良いよ、サボる目的で此処に居るんだから。君は留年したんでしょ?今からでも勉強したら遅くないと思うけど?」

「大きなお世話」



思った以上に面白い人で興味が湧いてきた。めげずに私は色んな質問をした。質問と言っても全部転校初日に聞くような、好きな科目とか好きな女の子の話ばかり。逆巻シュウは私の質問には一切答えようとはしなかった。ずっと目を瞑って寝ていた。ふっ、面白い…!答えてくれるまでで、ずっと聞いていようじゃないか…!



「逆巻シュウって好きな先生とか居る?」

「………」

「あっ、私##NAME2##花子って言うんだけどね、君の事が気になって此処へ来たんだ。って今更言っても遅いよね」

「………」

「こんな寒い場所に寝て、風邪引かないの?」

「………」



ぐぬぬ、結構しつこく聞いているのに頑なに答えようとしない。だけど此処で止めるなんて出来やしない。諦めずにずっと、思いつく限り質問をしたけど、1つも答える事が無かった。



「えーっと、えーっと……あれは聞いたし、これも聞いたし……うーん……」

「で?もう質問はしないの?」

「!! す、するよ、ただ何を質問するか…」

「馬鹿みたいにずっと聞くからだな、愚か過ぎて笑えるな」

「別に笑っても良いんだよ?笑ってくれたら、こっちに反応したって事だし!」

「はっ、誰が笑うか。思い通りに行くと思うなよ。」



おうおうなんて意地っ張りなんだ。ちょっとぐらい答えても良いだろ!はあ、どうしようか。予定ではもっとお話出来るかなと思っていたけど、こんな人だったとは。噂だけだったからもうちょっと聞いて置けば良かった、今更後悔。



「君の目を見ていると、なんか世の中の終わりって感じがするね。何もやりたくない、だらけるの最高って感じ?」

「なんだそれ」

「君を見て思った事。違った?」

「…あんたこそ見た感じ友達とか居ないだろうな。顔は普通よりちょっと上ぐらいなのに、性格が邪魔してる。後お喋りでまるでインコだな。」

「うわぁ、すごい一目見て分かっちゃうなんて。流石頭が良い!」

「ふぅん、怒らないんだ」

「怒ってどうするの、逆に初めてだよ。初対面にこんな事を言われるなんて。全部当たっているよ。」



友達が居なくてお喋りインコ。うーん、インコは初めて呼ばれたけど、間違ってないから良いかと思った。さっきまでは話しないと言っていたのに、今では自分からちょっとだけ話しかけたり、私の話を聞いたりと、会った時の態度と全然違う。



「流石に1日だけじゃ、逆巻シュウの事は分からないね。これからは此処へ来て、君を知っても良い?」

「好きにすれば?あんたも留年しても知らないから」

「大丈夫よ。死ぬ気で勉強すれば、何とかなる!」

「…意味が分からない」

「ふふっ、これからも宜しくね、ダル男さん」

「……あぁ、程々にしろよインコ女」



噂だけ聞いて突撃したけど、面白い人だった。これで毎日退屈な学校でも、この人に会うという目的に変わったら、ぐーんと学校が楽しい物に変わった。






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