宝探し


「よぉ、花子。」

ある熱い夏の日の昼前のこと、
ご飯を作ろうかな…なんて腰をあげた時にチャイムが鳴ったので出迎えてみるとユーマくんがいた。

「突然、どうしたの?ユーマくん」

「あ?お前…今日が何の日か忘れたのか?まぁ、いい。ほらよ。」

今日……?なんかあったけ……

彼から手渡されたのは1枚の便箋だった。

「なに、これ?」

「さぁな、俺の役目はこれを渡すだけだかんな。………それと、これ出ろ」

そう言われてユーマくんの携帯を差し出され、それは誰かと繋がっているのか、
とりあえず自分の耳に当ててみた。

「もしもし……?」

「花子?エドガーから受け取ったか?」

「シュウさん…?うん。何か受け取った、よ?これなに?」

「そ、受け取ったならいい。中身はこの電話切ってから見なよ。
……花子、俺と宝探ししよ?」

「宝探し……?」

「ん、偶にはこういう子供じみた事もいいだろ?場所はその手紙の中のカードに書いてあるから、よろしく。」

「え、ちょ、ちょっと待ってシュウさん!!……って切れちゃった」

いきなり、何を言い出したのか分からなくて問いただそうとしたら切られてしまったので諦めて携帯をユーマくんに返した。

「くくっ、大変そうだなぁ。ま、頑張れよ」

ユーマくんもそう言って私の頭をぽんぽんとしてから行ってしまった。

きっと、私から折り返しで電話しても出てくれないだろう事は長年の付き合いで分かってるので、
とりあえず、彼の指示通り次の場所に行こう
と思い、カードを見たらそこには

"俺と花子が初めて会った公園のベンチ"

と書かれてあった。
訳が分からないまま、その公園へ向かいベンチを見るとまた1枚の便箋が……

今度は場所が書いてあるカードと1枚のトランプ。
トランプにはシュウくんの字で
"花子の笑顔が好き"
と書かれてあった…。

また次の場所にも便箋とトランプがあって

"花子の俺を呼ぶ声が好き"
"俺の腕で寝る花子が好き"
"どこにいても俺をみつける花子が好き"
"俺のために泣く花子が好き"……

と、たくさんトランプに彼からの好きが書かれていた。
指示される場所もデートでいった水族館とか映画館、レストラン……
一つ一つに思い出がある所ばかりで、
色んなことを思いだしながら探し続けていた。





「次は………逆巻家か」

そうして、トランプを51枚ほど集めた時、シュウさんが指示する場所は彼の家だった。

きぃと、玄関のドアを開けると
上からひらひらと52枚目のトランプが落ちてきた。

裏返すとそこには
"俺のことが大好きな花子が好き"
と書いてあった

文字に幸せがにじみ出ていて
今までも少し耐えていた涙が溢れてきた

ぽろぽろ泣いて少したった頃…

床に薔薇の花びらが、ぽつぽつと行く先を案内するかのように落ちているのに気づいた。

「これに辿っていけばいいのかな…?」

涙を拭い、その道しるべ通りに辿っていく先にあったのはシュウさんの部屋だった

ドアを開け、部屋に入ると私を待っていたかのようにベッドに座るシュウさんがいた。

「ど?宝探し楽しかった?」

「うん…嬉しかった……」

と涙混じりに伝えれば

「ふっ、本当だったら、こんな面倒くさいことなんてしないんだけど……今日はあんたにとって特別だからな………ほら、おいで?」

そういって、軽く腕を広げた彼にぎゅっと抱きついた

「ユーマくんも言ってたけど、今日って何かあった…?」

「は……忘れてたわけ?今日はあんたの誕生日だろ?」

「………忘れてた。」

呆れたと言わんばかしにため息をつかれた。

「あんたらしいな…ほら、プレゼント」

そういって、彼から手渡されたのは
可愛らしい小振りのブレスレットだった

「あーと、俺という宝物を見事見つけた花子に御褒美もあげる」

そういって、キスをされながらベッドに押し倒され
たっぷりと御褒美をもらった。

情事の最中もあのトランプには書かれてなかったたくさんの好きを受取りながら
幸せな誕生日を過ごして

愛しくて仕方ない大好きな彼にちゅっとキスをして2人抱き合いながら眠りについた。










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