いじめっ子恋愛論
「アヤト君は分かってない…何も分かってないよ…」
「んだと?」
私は先程からアヤト君と睨み合っている。
それは価値観の違いからだ。
「アヤト君はユイちゃんのお胸の魅力を全然分かってない!チチナシとか失礼すぎる!!」
「んだよ!チチナシにチチナシっつって何が悪いんだ!!」
最低な暴言に対して私はアヤト君に渾身のげんこつを一発食らわせた。
すると彼は相当痛かったのか、地面をごろごろと転げまわる。
「か、彼氏に向かって何てことしやがるこの馬鹿花子!!」
「うるさい、うるさいっ!貧乳のステータスが分かってない大馬鹿ものにはコレ位通常運転!!」
ぶーぶーと喚き散らすアヤト君にもう一撃お見舞いすればぶわっと涙目になりながら睨みつけられてしまい
そのまま徐にわしっと胸を掴まれてしまった。
「大体チチナシだって花子位の大きさがあれば少しくらい色気がよ…」
「あーもう駄目だ。アヤト君マジガキ過ぎて駄目だ。」
彼氏に胸を揉まれているって言うのに甘い声一つ出さないでその代りに盛大な溜息を一つ。
そして語る私の貧乳論。
「いい?お胸が小さい子はソレを気にしちゃって一生懸命ふくよかなお胸になろうと努力したり、巨乳をみてしょんぼりしちゃう可愛い生き物なのよ!?可愛すぎでしょ!それに小さいからこれから揉んであげて自分好みの大きさに育て上げれると言うオプション付き!!最高!貧乳最高!!」
「………花子ってライトだったっけか?」
アヤト君にむにむに揉まれながらも熱烈に語っていれば
その手の動きはピタリと止まり首を傾げてドン引きと言った表情のアヤト君。
くそう、これだからお子様は。
「そもそもやっぱチチはデカイに越したことねぇだろ!」
「そういうのはチンナシのアヤト君が言うべき言葉じゃない。」
「んだとぉ!?俺様のビッグマグナムを貶すんじゃねぇよ!つか花子はいつだってコイツで悦んでんじゃねぇか!」
私の言葉にムキになったアヤト君がゴチンと額を私のそれにぶつけてギリギリとこちらを睨み上げる。
…コイツ、ユイちゃんにあれだけチチナシとか言っていた割に自分が言われるのは嫌なんだな。
大袈裟に息を吐いて小馬鹿にしたように彼を睨み上げて普段慎まやかで可愛いお胸を馬鹿にされてしまっているユイちゃんに替わって反撃。
「なぁにがビッグマグナムよ。どーせアヤト君なんて逆巻家一小物よ!あれじゃない?ジャンガリアンハムスターレベルじゃない!?そんなんで悦んでる私が寧ろ可哀想!!」
「う、うおおおお!スバルよりかはデケェよ!!!!馬鹿!馬鹿花子!!」
遂に涙目な彼の発言によって不意に疑惑が浮上。
だって仕方ない、彼はお馬鹿だから嘘はつけないもの。
「…………アヤト君、5番目の男?」
「……………、」
静かに問えばふいっと逸らされてしまう顔。
そんな彼の肩に優しく手を置き勝ち誇ったかのように嘲笑。
「お胸は揉めば大きくなるけど、アヤト君Jrは触った所で一時的にしか大きくなんないもんね。乙。」
「くそ…っ!負けた…!!」
ガクリと膝をついて悲しみにくれるアヤト君を見降ろして私は完全勝利に歓喜する。
ユイちゃん…!私、ユイちゃんの敵取ったよ!!
「貧乳を笑うやつは租チンで泣くんだね。ぷぷぷ。」
「ちくしょー…花子、いまにみてろよな。」
ひたすら悔しがるアヤト君の台詞なんてもはや負け犬の遠吠えである。
精々喚くがいいよと再び笑えばじわりと泣きそうな彼が実はとても愛おしい。
…誤解されやすいがこれでも私達は恋人同士である。
「アヤト君の泣き顔そそるから今日もチンナシアヤト君に悦ばせられちゃいたいな。」
「くっそ、誘われてんのにすげぇ複雑な気分。」
悔しそうなじと目でこちらを見上げる彼に微笑んで小さく自分からキスをした。
アヤト君と私は似た者同士、好きな子ほど苛めたくなっちゃうのだ。
だからユイちゃんをいじめる彼に少しばかり嫉妬したって言うのは内緒の話である。
「…おい、レイジ。この話の一番の被害者はスバルだと思うから何かごちそう作ってやれよ」
「…穀潰しと意見が合うとは思いませんでしたが同感です。今夜の晩餐は腕によりをかけましょう。」
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