あついね


じりじり。
むしむし。



初夏だって言うのにこの暑さは一体何なのだろうか…
正直暑さに弱い私はちょっと瀕死です。



「暑い…暑いねぇアズサ君…」



「うん…俺、もちょっと…キつい…」



二人でぐでーっとフローリングの床に這い蹲ってぐったりとした感じで会話してれば
もうこの光景に慣れてしまったユーマ君やコウ君が私達の胴体をひょーいっと跨ぎながら日常生活を送っている。
…因みにこの状態をルキ君に見つかってしまったら「行儀が悪い」って、スーパーお説教タイムの開始である。



「うう…アズサ君、あずさくん…暑い…しんじゃううう」



「…それ、は…ダメ…花子さん、は俺が…死なせない。」



情けない弱音を吐けば格好良い事を言いながらアズサ君が
ずるずるとゆっくりこちらに這いずってきてぎゅっと私の身体を抱き締めてくれた。
遠くからコウ君が「ヒィ!アズサ君マジ怖い!!」って言ってたけれど
私はアズサ君のヒヤリとした冷たい体に思わず目を細めてしまう。



「アズサ君…冷たいよ〜気持ちいいよぉ…もっとぎゅってしてよぉぉ」



「うぅ…花子さん、あつい…でも、がんばる…」



…そう言えばそうだった。
アズサ君も暑いのしんどいんだった。
なのに私ってば自分の事ばっかり考えてもっとぎゅってしてとか…
うううごめんねアズサ君。
でもアズサ君の体、ホントに気持ち良すぎて今手放せないよ。



フローリングに寝転がったままぎゅうぎゅうと抱き締めあいつつ
心の中でアズサ君に謝罪して、態度ではごめんなさいとありがとうの気持ちを込めて
スリスリとアズサ君の頬へと顔を寄せた。
瞬間、私の顔にとんでもない違和感。



「あっつ!あああっつ!!!アズサ君!!顔!すっごく熱くなった!何で!?」



「…………花子さんの所為でしょ?もう。」




びっくりしてアズサ君の顔を見つめてみると
そこにはびっくりするくらい真っ赤になっちゃった彼がブルブルと涙をこらえながらこちらを不服そうに見つめていた。



「花子さん…もうこれ以上、可愛い事…しないで。…俺の体、すっごく熱くなっちゃう。花子さんを、ぎゅって…できないよ…」



「ん…っ、ごごごごめんなさいアズサ君…っ!ぅむっ…あ、あのでもちょっとあの、今度は私が熱くなるって言うか!んぅ…」




すっごく嬉しい事を言われてドキドキしてたらそれから彼はずーっと何度も何度も私の唇を奪ってきてしまうから
冷たい体のアズサ君にぎゅってされてるのに私の体温は急上昇するばかりだ。
するとアズサ君はニッコリといたずらっ子の様に微笑んだ。



「さっきから花子さん…熱いね…誰のせい?」



「…………アズサ君の所為。」



「ふふ、これで…おあいこ…だね。」



コツンと額を併せられて更に熱くなってしまえば
ちゅっと今度はそのまま唇以外にも沢山キスをされてしまって
もうアズサ君の体とフローリングの冷たさだけでは足りない位私は熱くてあつくて仕方がない。




「アズサ君…あついね。」



「ふふ…そう、だね…俺も…あつい。」




互いに微笑み合って、それでも離れようとしない私達は
このあつさを甘んじて受け入れる以外他に道はなさそうだ。





(「………ルキせんせー。あそこのバカップルすげぇあついんスけどー。」)



(「ユーマ、報告ご苦労。さて………楽しい説教の時間だ。」)



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