愛しのマスクメロン


「ああもう!何なんですか!!花子さん!ムカつきます!!」



「う、うええん!ごめんなさいカナト君!!」



今日も今日とて私の大好きなカナト君がヒステリックに叫び散らかしている。
ううう…どうしよう…カナト君が私と一緒にいて怒らない日はない。
私…嫌われてるのかなぁ。



じわり
大好きなカナト君に嫌われてるって思うと悲しくて思わず涙がにじむ。
するとカナト君のお顔には先程もあったけれどもう一本ビキリと青筋が追加されてしまった。



「何なんですか!その泣き顔カワイイ!!この服も相まって可愛い!!!天使になり過ぎるのも大概にしてください!!!」



「うわああああん!!!ごめんなさいいい!!!怒らないでよカナトくーん!!!」



大きな声で喚き散らかされて遂に私の涙腺は決壊してしまう。
するとカナト君がまた青筋を追加して「涙までも可愛い!!ムカツク!!!」ってぎゅうぎゅう抱き締めてきてしまう。
ど、どうしよう…!このままじゃカナト君の可愛いお顔が青筋まみれでマスクメロンみたいになっちゃう!!!



やだやだ!マスクメロンカナト君とかそれはそれで可愛いかもだけど
私はやっぱりお菓子とかテディ君と遊んでる時の可愛い笑顔のカナト君が大好きなんだもの!!!



私を抱き締めてるカナト君をぐいーって一生懸命押し返して
怒らせてごめんなさいって意味をぎゅっと込めてちゅっとほっぺにキスをしたら
数秒カチーンとカナト君が固まってしまった。
えっと…どうしたんだろう。




「か、カナト君…?」




「…けるな」




「え?」




どうしてかブルブルと震えだしたカナト君が心配になってそっと顔を覗き込もうとすれば
勢いよく顔を上げたカナト君が屋敷中に響き渡るんじゃないかって位大きな声をあげて叫び出してしまった。




「ふざけるなって言ってるんですよ!!!可愛いのも大概にしてくださいもう!!ああもう可愛い!!!お人形にしたい!!!」



「えぇ!?あの素敵なお人形さんたちの中に入れてくれるの!?是非是非!!!」



「天使の花子さんをお人形なんかにする訳ないでしょう!?馬鹿なんですか!!!?その笑顔かわいい!!!」



「うわああん!か、カナト君が遂にマスクメロンになってしまったぁぁぁ!!!」



カナト君の発言でてっきりカナト君の素敵お人形コレクションに入れてもらえるんだとおもって
すっごく嬉しくてはしゃげば遂に本気で怒ってしまったカナト君のお顔の青筋がマスクメロン級になってしまった。
ううう…そうだよね…私みたいなのがカナト君のお人形コレクションに入れるわけないよね…かなしい。



ぜぇぜぇと叫び散らしたカナト君が肩で息をしながら呼吸を整えると
何事もなかったかのようにスラリと大きなカメラを取りだした。




「ホラ、花子さん。今日も僕を怒らせた罰ですよ。スタジオ行きましょう。」



「うぅ…はぁい…毎日ごめんなさい、カナト君。…でもだいすきだよ。」



「だから!いちいち言う事可愛いの何とかしてくれませんか!?僕をドキドキで殺したいの!?」



「ええええ!?やだ、やだよー!カナト君死んじゃヤダー!!!うわあああん!!!」




カナト君が死んじゃうとかそんなそんな!
そんな悲しいことってないよ!!!
想像しただけで悲しくてボロボロと涙を零して彼に抱き付きながら本日もお仕置き部屋と言う名のスタジオへと連れていかれる。



いつだってカナト君が怒ったらそこで沢山お写真を撮られてしまうんだよね…
うぅ…今日もカナト君に喜んでもらおうって頑張って可愛いお洋服着てきたのに結局はこうだもんね…



あーあ…いつかカナト君にだいすきって、言われないなぁ…




そんな夢のまた夢を思い描きながら
今宵も私は愛しの彼の前で上目遣いナナメ45度のオネダリポーズをとるのである。





(「ねぇねぇシュウさん、カナト君にどうやったら好かれるのでしょうか…うぅ…」)



(「……あんたの耳って節穴なの?もうそれは愛され過ぎてて辛いレベル」)



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