ド変態彼女的誕生日
花子ちゃんと恋人同士になってから数か月。
そろそろ自分が変態ではないんじゃないかと疑い始めているけれど
今回ばかりはこの今まで培ってきた知識を総動員している。
…とても間違った意味で。
「ええと、やっぱりこの玩具とコレも…うーん、媚薬はレイジに作ってもらった方が効き目ありそう…あ、あとこれは太けりゃいいってもんじゃないよね。」
「ライト…先程からアダルトサイトを真剣な眼差しで見つめていますがどれだけ厭らしいオモチャを買うつもりなのですか。というか全て花子さんに返り討ちに遭うでしょう全く。」
「もうもう!レイジは全然わかってないよねっ!!」
さっきから真剣に大人の玩具や薬、ローション等様々なグッズを真剣に眺めながら難しい顔をしている僕に向けて
レイジが飽きれた様に溜息ついちゃったけれど、そんなの言われなくても分かってる。
今まで散々花子ちゃんのスーパー変態プレイを受けてしまってる僕が一番分かってるよ!!
そしてカチカチと刺激的なおもちゃをサイトのカゴの中へ入れながら僕は死んだ魚の目で…
それはもう抑揚のなさ過ぎる絶望しきった声色でレイジにこの玩具たちの行方を教えてあげる。
「これは全部僕が花子ちゃんに使われるものだよ。」
「……………そう言えばもうすぐ彼女の誕生日でしたね。」
「“お誕生日にはライト君が欲しいなぁ”って言われて絶望したのはこれが初めてさ…」
カチカチカチ
部屋には気まず過ぎる沈黙とクリックする音だけが響き渡る。
そしてそんな可哀想な僕に流石に同情したのかレイジが小さな声で「マカロン…差し入れますね」って言ってくれた。
何だかんだでレイジはとっても優しいお兄ちゃんだ。
「な、何が悲しくて自分を悦ばせるきわどい道具を最愛の誕生日に日付指定して買わなきゃなんないの!!!せ、せめて花子ちゃんに全部使いたい!!絶対無理だけど!!」
「こうやって絶望と恥じらいに入り混じりながら自分好みの道具を購入しちゃうのもプレイの内だよライト君!可愛いっ!!」
「花子ちゃん」
ぎゅっと突然腰のあたりに心地よい圧迫感と温度を感じたので
チラリと視線を下に向ければ心から喜んじゃってる花子ちゃんの顔。
そ、そんなに僕が僕に突っ込むモノ選んでるの見て楽しいの…?
「全く…ホント、僕も大概変態だけど誕生日に色々突っ込まれてよがっちゃう僕を見たいとか花子ちゃんて筋金入りだよねー」
「でもでも私のそんなお願い素直に聞いてくれるからホントにライト君だいすきなのっ!!」
「う…うん、だって僕も花子ちゃんだいすきだからね。」
カチカチカチカチ
彼女の可愛い台詞に動揺してたら何か色々きわどすぎるというか度を超えたものもカゴに入れちゃって
慌ててもとに戻そうとしたけれどそれは小さくて温かな手に阻まれてしまい、背中にぶわっと嫌な汗が流れる。
「ややややややムリムリムリこれは無理だよ花子ちゃんこんなのホント入んないよ物理的に絶対痛い。」
「だいじょうぶ!!私の事大好きなライト君はなんでも受け入れてくれるって…信じてるの。」
「うわん!その笑顔可愛い!!受け入れちゃう!!物理的に色々と!!!」
スターン!と押したのは商品を元に戻すボタンじゃなくて確定ボタンで、
僕は彼女の誕生日当日に色んな意味で死亡フラグを自ら立ててしまった。
自分の首を自分で締めるってまさにこの事だと思う。
「はぁ…花子ちゃん、お誕生日オメデト。当日きっと痛いやらキモチイイやらで言えそうにないから先に言っとくね?」
「うふふ…ありがとうライト君!!そこまで覚悟決めちゃってくれて私すっごく嬉しい!!」
腰に巻き付いてる最愛にちゅっと可愛いキスを落としてあげれば
満足気に笑う花子ちゃんは贔屓目なしにホントかわいい。
…こんなに可愛いのに僕以上にド変態なんだからホント、神様って何考えて花子ちゃんって生き物を作ったんだろ。
ギャップとか以前の問題だよコレ。
「全くもう…なーんでこんなド変態ちゃんなの…僕のアイデンティティーが毎回危ういんだけど…」
「でもでもそんなわたしがぁ?」
溜息交じりの僕の言葉に期待に満ちた瞳で見つめる彼女。
そこに映る僕は正直こんな仕打ちを受けてるにも関わらずとてもしあわせそう…
うん、僕はやっぱり変態かも。
「だいすきだよ」
散々色んな仕打ちをされてもそれは全部花子ちゃんの愛情だから
全部が嬉しくて喜んじゃってる。
ド変態に愛されて喜ぶ僕はどうあがいても変態だろう…
後日…
「う…うぅ…ぐすっ…」
「ら、ライト…ほ、ほら貴方の大好きなマカロンですよ?」
「い、痛かったけど…すごく気持ちよかった…ぐすっ」
結局花子ちゃんの誕生日にめちゃくちゃにされちゃった僕に
レイジが気を利かせて沢山のマカロンを差し入れてくれた。
絶対僕の誕生日には花子ちゃんを滅茶苦茶にしたい。
と、思うだけならタダだって思ってる。
戻る