無敵の長男力
まぁね。
私もいい年なのでね。
うんうん、どれだけご両家のご長男と言われましても
何百年実は生きてるんだぞと言われましてもパッと見は私よりお子様な二人を本能的に甘やかしてしまうのはもう仕方のない事だと分かっていただきたいわけである。
「花子……あんまり言いたくないけどこれは無い」
「花子…頼む。頼むからやめてくれ」
「いやいやだって今日は私の好きにしていいとか言い出した二人が悪いよねよしよし」
今日は仕事が休みで私は久々の休日にご満悦。
更には両膝で真顔で解せぬと言った感じのシュウ君と自分が甘やかされる側なんて滅多になくて今にも泣きそうなルキ君の頭を乗せて
かれこれもう数十分はなでなでできて更にご機嫌である。
「おい花子そうじゃないだろ……俺達の事好きにしていいって言ったんだぞ?もっとあるだろ?」
「シュウ君が思ってるほど私は若くないからそういうエロい事より精神的な癒しを所望する」
「花子……もうなんでもいいから頼むからやめてくれないかどうすればいいか分からない」
「ルキ君はもうちょっと甘える事に慣れようねどうもしなくていいよおとなしくなでなでされてて」
右膝にシュウ君、左膝にルキ君と、なんともまぁ甘やかしがいのある二人を侍らせて本日最高。
正直二人が「今日自分たちを好きにしていい」とか言い出した瞬間。嗚呼、そういう事をしたいんだとちゃんと理解はしたけれど
私は今性欲より精神の癒しを優先したくて仕方がないのだ。
「はぁ……無駄にデカイ可愛い子ちゃん二人をなでなでとか癒される……幸せ」
「…………花子、癒されたい訳?」
「嗚呼、うん。ちょっとここ最近疲れてたからね……ん、もふもふ」
「っ、だからと言って俺達なんか愛でても…っておい!髪の毛に顔を突っ込むな!!」
二人のイケメン…しかも普段甘える事が中々許されていない長男と言う立場の二人をこれでもかと甘やかして
私の母性も庇護欲も大満足で…ついでに不満げな顔しつつもやっぱりなでなでか心地いいのか目を細めてしまう二人が可愛くて
精神的にも随分癒される…そんな若い子達とちょっと違った逆ハーレムに満足していれば不意に体が揺れて視界が反転
あれ、天井が見えるけれど後頭部は痛くないぞ?状況的に堪忍袋の緒が切れた二人に押し倒されたと言う状況だろうにおかしい…
けれどそんな疑問は頭の後ろのルキ君の大きな手を感じてすぐに解消されてしまう。
あ、マズい……これ、これから仕返しの時間っぽい。
「花子……癒されたいなら先に言いなよ。俺達、こう見えても長男なんだぜ?…ククッ」
「嗚呼、疲れている時は誰かを甘やかすより甘やかされる方が癒されるに決まっているからな……覚悟しろよ」
「あ、いや……その、私甘やかされるのは苦手って言うかですね」
先程のシュウ君の問いに何気なく応えてしまった言葉を掬い上げれられてもう大ピンチ
やばい……これはやばい。
さっきのシュウ君とルキ君同様、甘やかしに慣れているものは甘やかされるのに酷く抵抗があるのだ。
それは数秒前までそんな二人を甘やかしまくっていた私も同じで…
「今日は私の好きにしていいって言ったじゃない」
「気が変わった……よくある事だろ?ホラ…俺達を可愛がった分…滅茶苦茶に可愛がられなよ」
「嗚呼、此処からは俺と逆巻シュウとでどれだけ花子を甘やかせれるかの勝負としようか…」
「いやいやいやいや勘弁してよマジで無理だからそういうの、あ。」
やばいやばいやばい。
頭の中で警報が鳴り響いたけれどもはや時すでに遅し。
こんなんだったら最初から二人の誘いに乗って普通にエロい事をしとけばよかった…
そう思える位に私は本気になった二人の甘やかしが大の苦手だ。
「ほーら、花子……ぎゅうってしてやろうな…」
「なら俺は頭を撫でてやろう……よしよし、」
「う、う、う、」
ヤダやめて、そんな優しい目で見ないでよ。
そんな優しく触れないで……こんな事されると、本当にルキ君みたいにどうしていいのかわかんなくなっちゃう。
普段され慣れていない優遇に戸惑い涙を浮かべれば、二人は小さく笑ってとても優しい…私にとっては悪魔のような微笑みで二人声をそろえてこう言うのだ
「「花子は黙って俺達に滅茶苦茶に甘やかされてればいい」」
その後、数時間に渡って私は甘やかしの本領発揮してしまったご長男に
滅茶苦茶なでなでぎゅうぎゅうされてしまった。
………何か、すっごく
胸の内がくすぐったくて幼児返りしそうになったけれど
それ以前に私の甘やかす側と言うプライドはズタズタのボロボロである。
「もう2度とシュウ君もルキ君も甘やかさない……」
ふたりの腕の中でぽつりと呟いたそれに
シュウ君もルキ君も小さく笑うけれどだってしょうがない。
私よりとても年下な外見年齢のお子様達に滅茶苦茶に甘やかされて
もう、私の中のプライドは崩壊してしまって、二人の長男力の前にひれ伏してしまってる状態なんだもの…
「んぅ、ねぇねぇ…明日も休みだからもっと甘やかしてよ」
まさか自分の口からこんな言葉が出るなんて夢にも思わなかったけれど…
嗚呼、本当に吸血鬼の長男共の本気って怖いな…なんて思い知ってしまった深い深い夜の一コマ。
戻る