お疲れ様〜ルキ君の場合〜
「た、ただい…まっ!」
「おっと、なんだ今日は随分とくたくたじゃないか。」
家に帰るなり私は愛しのルキ君の腕の中に倒れ込んだ。
すると彼はいとも簡単に私を抱きとめてそんな台詞。
そうです私は今日疲れ切っているのです。
「もうヤダ疲れた死ぬ。ルキ君がぎゅーってしてくれなきゃ今すぐ死ぬ。」
「全く、お前の甘え癖はいつまで経っても改善されないな。」
呆れたように呟くけれど、ルキ君はそのままぎゅって私を抱き締めてくれる。
…私の甘え癖が直らないのはこうやって私を甘やかすルキ君に100%原因があると思うんだけれど。
そして彼に全体重をかけてまったりしているとそのままずるずると食卓へと連れていかれた。
「そろそろ帰ってくると思ってな、食事を用意しておいた。」
「…ルキ君マジ良い嫁過ぎて泣ける。」
「なら花子が旦那様か?」
クスクスと笑われてしまうけれど、うん、本当にそうだと思うよ。
だってこうして仕事で疲れ切って帰ってくればルキ君は私を迎えてくれるし、おいしいご飯も用意してくれている。
だから私はいくら辛い仕事でも頑張ることが出来るんだ。
「ルキ君だいすき。」
「そうか、残念だ。俺は愛しているのだが。」
「………もうやだこのイケメン。」
ルキ君お手製のご飯を頬張りながら感謝の気持ちを込めての告白だったのに彼は余裕めいてそんな愛の言葉。
私は顔を真っ赤にして照れ隠しに更に料理を口に頬張る。
するとどうやら口の端にごはんが付いてしまっていたようで、ルキ君が指で拭ってくれた。
そして優しく微笑みペロリとそれを舐めとった。
「嗚呼、そう言えば俺が嫁ならば言わなければならない事があるな。」
「え、」
ニヤリと意地悪に笑えば徐に私の手をとり、ちゅっと音を立てた小鳥のようなキスとそんな彼から爆弾発言。
「花子、俺にするか、俺にするか、それとも俺にするか…選べ。」
「ち、違う!それを言うならご飯にする?お風呂にする?それとも私?デショ!?何でルキ君一択なの!?」
訳のわからない彼の発言に大きな声で喚けば
黙れと言わんばかりに唇に噛み付くようにキスをされて、思惑通り黙り込んでしまえばルキ君は余裕めいてまた笑った。
「なんだ、花子は俺以外の何かを選ぶと言うのか?」
「いや、うん…選ばない、けど…」
自分で言っておきながら恥ずかしくなってしまい顔を赤らめる。
ルキ君はそんな私を可愛らしいと言って頭を撫でてくるものだからもう脳内は沸騰寸前だ。
「えっと、じゃぁ…ルキ君を私にくれたり…するの?」
少しばかり期待してチラリと彼を見れば、私の発言にきょとんと目を丸くした彼が盛大に吹き出した。
そして珍しく声をあげて笑う。
くそう、恥ずかしい。恥ずかしいけれどめったに見せない彼のこの顔はとても好きだから黙って笑われていよう。
ひととおり笑い終えれば目の端に涙を浮かべつつ微笑む彼にドキリと心臓が高鳴る。
「ああ、そうだな。今日は頑張ったようだし…褒美に俺をくれてやるとしよう。」
「…私、毎日仕事がんばれそうな気がする。」
お仕事のご褒美にルキ君だなんて何て贅沢なのだろうか。
そんな事を考えつつも私は、嬉しさを噛み締めながらまた彼の料理を口にするのだ。
(「そうだな、風呂まで我慢が出来ないから一緒に入るか。」)
(「…あれ?ルキ君、その言い方だとルキ君が私を貰うって感じじゃない?」)
戻る