14:似た者カップル
恋人同士って言うのは似てくるとよく言われるけど
「あ、コウさん扉空けておくのでお先にどうぞ。」
「プリント重そうですね、持ちますよ。」
「また、ほっぺにご飯ついてますよ?かわいいなぁ」
俺の兄の彼女がイケメンすぎてツライ!
「もう!ルキくん!花子ちゃんにどういう躾してるの!!」
ばんばんっ!
「…?何を言っているんだコウ。」
きょとんと、俺の言ってる意味が分からないと首を傾げるルキ君。
分からない!?分からないなら教えてあげるよ!!
「花子ちゃんのイケメン具合だよ!!一緒に歩いてたら手前の扉を開けて優しい笑顔でどうぞって微笑むし俺がセンセーに頼まれたプリント運んでるとさりげなく全部持っちゃうし食べこぼしが顔についてたらそっと拭ってくるんですけど!?何これ!!完全に花子ちゃんイケメンじゃん!超デキる彼氏ジャン!!!ルキ君は俺が花子ちゃんに抱かれちゃえばいいって思ってるわけ!?」
「は?抱かれ…?んん?」
未だ状況を把握しきれていないルキ君にずいっと顔を近付け不機嫌な顔に更に眉にしわを寄せて詰め寄る。
「だーかーら!すっげールキ君に似て紳士なの!女の子なのに超格好いいの!!何あれ!女の子のファン取られそうで怖い!!」
全国のエム猫ちゃん達を魅了して翻弄してきた俺が花子ちゃんひとりに胸キュンするなんておかしい!
しかも乙女のトキメキ方とかさらにおかしい!!
そんな不満をぶちまけると驚いたような顔をしたルキ君がふっと笑って
「何だかよく分からんが、コウに俺が格好いいと思われていることは分かった。ありがとう。」
言いたいことはソウジャナイ!
なのに目の前の長男はアイドルの俺顔負けのスマイルを放ち頭を撫でてくる。悔しいけど超格好いい…!!
「む〜!ルキ君のイケメン!!」
「アレ…?ルキさんに、コウさん?」
「花子ちゃん!」
ぎゃんぎゃん俺が一方的に喚いていると向かいから今話題に上がっていた花子ちゃんの姿。
彼女は俺の顔を見て少し驚いた顔になったけど、すぐに困ったような表情に変えた。
ん、アレ?俺の顔になんかついてる?そう思った瞬間、つんっと花子ちゃんの人差し指が俺の眉間をつつく。
「そんな眉間にシワ寄せて、綺麗なお顔が台無しですよ?まぁコウさんならどんなお顔も魅力的ですけど…私はやっぱり笑っている貴方の顔が一番好きです。」
「嗚呼、それは俺も同意見だな。コウはどんな表情も可愛らしいが笑っている顔が一番魅力的だと思うぞ?」
「な…っ!なぁ…!!!」
ど、どうしてそんな恥ずかしい台詞を言えるの二人して!!やだもうこの二人ホント格好良いんですけど!!そして同時に悔しい。仮にもアイドルであるこの俺がこの二人の言動にときめいちゃってるだんて、悔しい!認めたくない!!
「…の、ほうが…!」
「?コウさん?」
「コウ?」
「俺の方が断然格好良いんだからね!バーカ!!」
思わず叫んでしまったがこれでは全然俺のが格好悪い。うぅ…悔しい、すっごく悔しい。
するとルキ君と花子ちゃんはそんな俺を見て
顔を見合わせ、二人してまたにっこりほほ笑んだ。
「はい、コウさんはとっても可愛くて格好いいみんなのアイドルです。」
「そうだな、コウは誰よりも輝いている。誇っていいと思うぞ。」
なでなで。
二人同時に俺の頭を撫でてくるもんだから俺はいたたまれなくして顔を真っ赤に染め上げた。
「ふふ、コウさん可愛い。」
そーいうセリフは男が女に言う言葉だよ花子ちゃん。
俺の兄の彼女はとことんイケメンだ。でもそんな彼女が惚れてしまったルキ君はきっともっともっとイケメンなんだろうなぁ。
あーもー完敗だよ。へへっと笑って花子ちゃんのほっぺにキス。
悔しいからこれくらいはさせてよね!
「俺、花子ちゃんになら抱かれてもイイかも!」
誰もが惚れるとびきりのアイドルスマイルでウインクもつけて俺は精一杯の反撃をお見舞いしたのであった。
(「では、その時は嫌って言うほど優しくしてあげますよ。」)
(「真顔でそんな発言!イケメン!抱いてっっ!!」)
その後、嫉妬したルキ君に滅茶苦茶説教されたのはまた別の話。
勿論そんなルキ君を宥めたのは花子ちゃんだった。
アレ…これって、ルキ君より、花子ちゃんのがイケメン?
………アレ?
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