74:再会の裏側


「おうおう、花子あれ泣いてんじゃねぇーか?ルキマジぶっとばす」


「全く…花子ちゃんをひとりにしちゃうとかホント過保護吸血鬼失格だよねー。」



「花子……かわいそう…ぎゅって、してあげたい…」




ひょい
ひょい
ひょい




トーテムポールみたいに身長ごとに扉の隙間から顔だけ出してじっと震える背中の花子ちゃんを見つめる。
ああ、やっぱりルキ君がいないと淋しいよね…っていうか今回は俺達もいないからもっと淋しいのか。



…………。



「…なぁコウ。俺今スゲェ不謹慎な事考えちまった。」



「…奇遇だねユーマ君。俺もだよ。」



「花子が…俺達いなくて…淋しがってるの……うれしい」



ユーマ君と俺が敢えて言わなかったことをズバッといっちゃったアズサ君の口をとっさに塞ぐ。
ううん、俺達弟三人の思考回路は繋がってるかもしれない。



「花子に…あいたい、ね…せめて…俺達だけでも……」



「そうだね…このままひとりきりは流石に可哀想だもん。」



「……なら取りあえずこのミイラスタイルを何とかするとこから始めようぜ。流石にこのまま出ていけば花子がびびっちまう。」



じっと互いの姿を見て長い溜息をつく。
現在俺達はちょっとしたミイラの如く包帯まみれだ。
ムカツクイケメン、シュウ君によって助けられたけれど流石に酷く深い傷はすぐには癒えなくて…
ようやく今日ベッドから降りる事が出来たので早速こうして花子ちゃんの様子を見に来たんだけど…うん、流石にこの姿じゃ怯えるか。




「よし!一旦撤収だよ!!出来るだけ包帯とかとっぱらっちゃってそれから花子ちゃんと再会!!」



「折角だから…こう、すてきな……再会に、したい…ね」



「そーだなぁ…ならそれも作戦会議しようぜ!!」



そう言うや否や静かに扉を閉めて泥棒みたいにこそこそと自分達に与えられた部屋に戻って、お互いの体に巻き付けられた包帯を取りはらっていく。


どうしても取れないところは諦めて、出来るだけ花子ちゃんに心配かけないように…怯えさせないように極力傷とかが見えないように工夫して。



「つーかニートの野郎はなんであんな花子に対して必死なんだ?今回俺らを助けたのも花子を泣かせねぇ為だろ?」



「そう、だね……シュウさん…花子と、なにが…あったの…かな。」



「…………んー、よく分かんないねぇ。」



ユーマ君とアズサ君の言葉に笑顔を作りながら小さな嘘をひとつ。
花子ちゃんを殺す為に追いかけてきた奴らの返り血で真っ赤になったシュウ君が俺を担ぎ上げたとき、断片的に見えたアレが真実なら
シュウ君が花子ちゃんをここまで愛して、かつ無理矢理ルキ君から奪わない理由も頷ける。



でも…全てを見たわけじゃないから、今は何も言えない。




「よっし!これくらいで大丈夫だね!!あとは…素敵な再開だけど…」



「前…ルキが花子を連れ去ったとき…黒薔薇の丘…で、って言ってた…俺も、あれ…マネしたい」



「なら花子をあの部屋から連れ出す方法だなぁ…」



みんな取りあえず顔が分かる位までは包帯を取りはらって作戦会議。
流石に俺達じゃルキ君の代わりは務まらないけれど…それでも



それでも少しだけでも花子ちゃんの淋しさをまぎらわせることが出来るならいいなって…思うんだ。




ルキ君、俺達じゃ花子ちゃんをルキ君みたいに愛せないよ?
だから早くもどっておいでよ…




俺達も、花子ちゃんも
ルキ君の事ずっと待ってるんだよ?



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