2:バストは常にチェック!
「ユーマ君、どうしよう。私、恋しちゃったみたい」
「は?………はぁ!?」
自分の彼女の爆弾発言に思わずでかい声が出てしまう。
ちょ、おま、彼氏の目の前で堂々と浮気発言とかどういった了見だよ!!!
酷く焦って花子の両肩を掴み彼女を睨みつけて尋問を開始する。
「おい、一体誰にムラってんだよ花子、白状しやがれ」
「や、わかんないけど。」
「は?」
意味不明な返答に首を傾げれば
花子はそのままむにむにと自身の胸を触り始めた。
「なんか最近胸が苦しくてさぁ…息できないんだよ。やっぱりこういうのって恋かなって」
「…や、あの、それよぉ…もしかして…」
ぺろん。
花子の許可も何も得ずに徐に彼女の服を捲って
予想通りの現状に俺は盛大に溜息をついて内心頭を抱えた。
「ったく、下着のサイズくらいチェックしやがれ!!お前それでも女かよ!!!」
「まさか巨乳になってるとは思わなくて…これも毎晩飽きもせずにユーマ君がちゅっちゅっぺろぺろ」
「うおおおおあああああ!!!!」
可愛らしい雰囲気のランジェリーショップでデリカシーのなさすぎる花子の発言を大声を上げて遮りながら口を塞げば
もごもごと未だに口を動かす彼女に勢いよく頭突きをかました。
俺も相当デリカシーのねぇ奴だけども!!!花子は!別格!!!!
そう、数時間前、花子の服を捲れば彼女の胸はその小さすぎる下着からはみ出そうな感じでむちむちだった。
…正直俺の理性はヤバかったけれど頑張って我慢してずるずるとそのまま新しいサイズの下着を購入すべくここまでやって来たのだが…
「やべぇ…コレ、予想以上にハズい」
店内はミルキーピンクの壁紙で所狭しと可愛らしいモノやセクシーなモノ
色々な下着が並べられていて…当然だが男の客は俺一人だ。
店員だって何でかわかんねぇけどチラチラこっちを見ては黄色い声をあげてやがる。
「おい、花子早く選んでかえ…」
「……………」
「おい、嘘だろォ!?」
いたたまれなくなって後ろを振り向けば店の隅っこでちょこんと蹲って爆睡してやがった俺の彼女。
おいおいおいおい!どうすんだよ!!店員爆笑してんぞ!!!
「おい花子!起きろ!新しいの選ばねぇとまた胸しんどいぞ!!!」
「ふふ…起きませんね。…彼氏さん、協力してくださいます?」
「………………は?」
ガクガクと花子を前後に揺らしてみたけれど彼女は一向に起きないで
そんな様子を見ていた店員が何かすげー悪い顔をして俺にそんな言葉を投げかけた。
…もはやもうこの時点で嫌な予感しかしなかった。
「気が付けば下着沢山買ってたんだけど。なんでだろ。」
「…花子チャンが俺にセクハラしたからだよ」
帰り道、大量の下着のショップバッグを持ちながら盛大に溜息。
あの後胸のサイズを測らないと下着選べねぇからって事で
何と試着室まで連れていかれて、俺が花子を支えながら胸のサイズを測ると言う何ともこっぱずかしい事が行われていたのだ。
俺の腕の中で爆睡する花子、笑いを堪えながら胸のサイズを測る店員。
女しか入った事のない試着室で盛大に顔面を赤くしてブルブル震える俺。
正直、本気で泣きそうだった。
「…ふーん、ユーマ君ってそういう趣味なんだね。」
「…んだよ、別にイイだろ。」
チラリと本日購入した下着の数々を見つめて呟いた花子に顔を逸らせて反論する。
結局花子が起きねぇから下着のデザインは俺の趣味で全部買っちまった。
中にはふんだんにレースのあしらわれた可愛らしいモノやちょっと冒険して大人っぽいセクシーなものまで多種多様だ。
花子はすこしばかり恥ずかしがっている俺を見つめて
へにゃりと笑って空いている方の手を掴んでぶんぶんと勢いよくふりはじめた。
「今日はこのオニューの下着を付けてユーマ君に盛大にがぶがぶされるのかぁ」
「う、うるせぇうるせぇ!!!その通りだけどうるせぇよ馬鹿花子!!!」
訳わかんねぇ位恥ずかしくなって彼女を手を振り払い
そのまま家へ向かって猛ダッシュだ。
くっそ、くっそ!
なんでアイツあんなにクソはずい事ばっかり普通に言いやがるんだ!!
ガサガサと袋の中で揺れる下着がチラリとこちらを覗き込んで
俺は赤かった顔を更に赤くしてしまった。
嗚呼、もう!自分の胸のサイズくらいテメェで管理しやがれ!!!
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