2:盗撮が犯罪って知ってますか?


「う…うぅ…」

「ふふ、レイジさんにお願いして作ってもらっちゃいました。」


「お願いって…嘘だよね花子ちゃん、脅したんだよね?」


「うふふふふふ」



有無を言わさないその笑顔は肯定ととって良いのだろう。僕は普段女の子に使ってるその液体を持ちながら肩を落とした。正直、ホント正直飲みたくない。けれど拒否でもしてみろ、目の前の天使の皮を被った大魔王に恐ろしいお仕置きをされるのはこの数日で学習済みだ。

「大丈夫だよ?普段の10倍の濃度しかないから。安心して飲んでね、その媚薬。」

「じゅ、じゅうばい!?」


彼女に出会う前にとっかえひっかえしてきた女の子達で実証済みのレイジのこの薬。
アレの10倍とか、こんなの飲んだら僕絶対おかしくなるじゃないか。なかなか飲もうとしない僕を見て花子ちゃんはきょとんと不思議そうな顔をして首を傾げる。
だから!なんでそんな可愛い仕草するの!

「どうしたの?ああ、もしかして下のお口から飲みたいとか…」

「うわーい!おいしそー!!いただきまーっす!!!」


彼女の鬼畜宣言を遮るように半ばやけになって大きな声で叫んで一気にソレを飲み乾した。ああ、もうどうにでもなればいい。そんな僕を見つめて彼女はとても嬉しそうにはしゃいでギュッと抱き付いてきた。


「私のお願い、ちゃんと聞いてくれて嬉しい。ライト君、だいすきっ!」

「………っっ!」


そんな言葉にほだされてしまう僕はとっても単純でそして今はそんな淡い気持ちと同時に、彼女が触れている部分が熱くて仕方ない。

「花子ちゃん…!」

薬が効いてきてしまった僕はもう限界で、
彼女を力の限りベッドに押し倒して彼女をそこに縫い付ける。

「僕をこんなにしてキミはイケナイ子だね…この責任は体でしっかり取ってもらわなくちゃ…」

「ふふ…ライト君」


彼女は妖艶に微笑んで、するりと僕の頬を一撫でしてそれはもう地獄の閻魔様真っ青の死刑宣告を告げるのだった。

「盛り上がってる所悪いんだけど、私これから用事があるから一人で処理してね」

「え」

むくりと起き上がって少し乱れた服をテキパキ直し彼女は何事もなかったかのように扉に手をかけて振り返り「じゃぁね〜」とひらひらと手を振り何処かへいってしまった。

「ええ〜!?」

僕は一人取り残されてその場で呆然としているしかなかった。


「ふふ、1人でシてるライト君をたくさん撮って写真集にしよう♪」

「…オイあんた、盗撮が犯罪って知ってるか?」


「ヴァンパイアが人間の常識に捕らわれるのってどうなんですか?シュウさん」



「あんた、人間だろ…って、いいや面倒くせぇ」



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