ユーマ君の場合
「うーんやっぱり可愛いなぁ」
「へぇ…花子ってこういうの好きなんだな。」
ユーマ君の大きな掌にちょこんと乗っている小さくてかわいいひよこさん。
なんだかとんでもなく面白い光景だけれど、それはあえて口には出さない。
私の誕生日に何かプレゼントを贈りたいけど何が好きなのか分からないから一緒に買い物に付き合ってって言われた時は笑っちゃった。
そう言う男前で潔いいユーマ君って格好いいと思う。
私が彼を連れて来たのはとある雑貨屋さん。
小さくて可愛いモノが好きな私はよくここに通っているのだ。
「お気に入りは犬のぬいぐるみとかかな?ホント小さくてかわいいよね。」
「んだよ…花子は小さくて可愛いのが好きなのか?」
「うん、だいすきだけど…?」
どうしてか私の言葉に拗ねたような口調で呟いたユーマ君を一生懸命見上げれば不機嫌ですごく怖い顔をしている。
え、どうしたの?私なんか悪い事言っちゃったかな?
オロオロしていればユーマ君はそのまま私の手にあったわんちゃんを取り上げて
すすすっと音もなくその場にしゃがみ込んだ。
そしてそのままじっとこちらを上目遣いで見つめる。
わ…ユーマ君の上目遣いレアかも。
そしてユーマ君は手に持っているわんちゃんを豪快かつ繊細に揺らし始める。
「“ハローハロー。ボク、ユーマ君。花子ちゃん、一緒に遊ぼう?”」
「………やだ、ぎゅってしたい。」
そんな可愛らし過ぎる行動に私のハートは恋の矢が100本くらい刺さってしまい、もう目の前がクラクラする。
ユーマ君はそんな私を見てニッコリといつもの明るい笑顔。
「どーよ、俺だってちまくて可愛いぜ?」
「そのドヤ顔さえもかわいいよユーマ君!」
きゅんきゅんと私の乙女心が音を鳴らしながら高鳴り続けて
お店の中にも関わらずたまらなくなってユーマ君をぎゅってすれば困ったような彼のため息。
「あー、けどやっぱ俺はでけぇ方がいいわ。」
「え、なんで?」
そのまますっと立ち上がったユーマ君は私を隠すように抱き締めて
そのまま小さく音を立てて唇にキスをした。
幸い彼にすっぽり収まってしまっているので、店員さんからは丁度死角となっており見えない。
「ゆ、ゆーま、く…」
「こうやってどこでも花子チャンとちゅーできるし?」
「も、もう!さっきまで可愛かったのに!可愛かったのに!」
恥ずかしくて彼の胸をたくさん殴るけれど
全然効かないといった状態で、ユーマ君はお構いなしに何度もキスの雨を降らせてくる。
死角になっているからと言ってやっぱり恥ずかしい…
「よっし、もう我慢できねぇ。家帰んぞ花子。」
「え、ちょ、ユーマ君!私へのプレゼントは!?」
真顔でそんな爆弾発言を投下されてぐいぐいと引っ張られてしまう私は躓きながらも必死に彼の後へとついて行く。
するとユーマ君はくるりと振り向いてさっきの明るい笑顔じゃなくて、妖艶でいてドキリとする笑みを浮かべた。
「んなもん、俺でいいだろ?な?」
「う、え?えぇ…?」
「ま、どうしてもっつーならラッピング位ならされてやるし〜?」
そんな訳の分からない事を呟きながら私はそのままベッドへと引き摺り込まれる運命となってしまった。
後日、少しばかりの腹いせにと眠っているユーマ君を盛大に可愛くラッピングして
無神家の3人が腹筋崩壊させたのはまた別の話だ。
…流石にツインテールにネグリジェは私もやり過ぎたと反省している。
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