やきもち〜ライト君の場合〜


「あれ?花子ちゃん、今日は眼鏡?んふっ♪今夜は眼鏡プレイをご所望かな?」


「ちょとコンタクト無くしちゃってねー。今日だけ眼鏡なの」


「ああん!スルーだなんて特殊テクニック!素晴らしい…素晴らしいよ花子ちゃん!ぞくぞくする…!」



ライト君曰く特殊テクニックを更に使用して無視を決め込んで目の前の本へと再び視線を向ける。

いつも間にかコンタクトを無くしてしまい仕方なく眼鏡だ。結構近眼だから、本当に無いと何も見えないから苦労する。


すると突然視界がぼやけてしまい何事かと思って顔を上げればやはり世界が曖昧にぼやけている。


どうやら眼鏡を取られてしまったらしい。
きっとそれは目の前のライト君であろう人の仕業…目の前だと言うの彼さえもぼやけてしまっている。


「ライト君、眼鏡返して…みえない。」


「んふっ♪やぁ〜だ。」


意地悪なそんな声に少しばかりむっとしたけれど今ここで無理に動けば視界が悪いから何かやらかしてしまいそうで大人しくしていると、ずいっとライト君の顔が近づく。


それはもう近眼である私でもはっきりと見える位に



「僕の大好きな花子ちゃんの瞳がこんなものに遮られるなんて考えられないよね」


「ら、ライト君?」


少しばかり拗ねてしまったような彼の顔は何処か幼くてとてもかわいいらしいけれど
この至近距離は非常に心臓に悪くて
必死に離れようとしても彼の腕が私体を抱きとめて離さない。


「ねぇ花子ちゃん、レンズ越しじゃなくてちゃんとキミの瞳で僕を見てよ」


…何その台詞。どこで覚えて来たのよ。
お蔭で私の体温考えられない位急上昇だよ。
恥ずかしくて我慢できずにぎゅっと目を閉じたら少し困ったような笑いと共に
ヒヤリと耳にプラスチックの感覚。


なんだろうと思って再び目を開ければ今度ははっきり見える彼の表情。



「ちょっといじわるしすぎちゃったかな?ごめんね」


「…、」



飄々とした態度で軽く謝罪されたけれど
私はじっと彼の表情を見つめてそのまま勢いよくかけられた眼鏡を放り投げる。


空いていた片手で思いっきり彼を引っ張って自ら距離を詰めることを忘れずに。


「えっと、花子ちゃん?怒ってるの?」


「見てあげる」


「え、」


再び朧な世界の中彼だけをまっすぐに捉える。
ああもう、やっぱりあなたは嘘が上手なようでとても下手。



「ちゃんとこの目でライト君自身を見てあげる。だから、そんな淋しそうな、悲しそうな顔しないで」



レンズ越しとか、何かを隔てて貴方を見ないよ。
奥底までちゃんとこの朧な目で見つめてあげる。



「私はちゃんと逆巻ライトを愛してる」



大丈夫。
変態な貴方も愛を知らない貴方も、ソレを理解しようとする貴方も全部全部見てる知ってる愛してる。
だから不安になんてならなくていいし、私の視線を遮るレンズを憎まなくていい。
だいじょうぶ、ちゃんとみてるよ。



「ふふ…花子ちゃんて、格好良いよね」


ようやくほっとしたように微笑んだライト君を見て
私も彼につられて笑った。



彼以外見えないぼやけた世界の中
どうあがいてもクリアな愛を彼に捧げよう



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