やきもち〜レイジさんの場合〜


「レイジさんがお嫁に来て毎日私の為にお菓子を作ればいいと思う」


「何を馬鹿な事を…どちらかと言えば嫁は貴女の方でしょう?」


「183cmのお嫁さん!幸せにします!」



ガスッ!
瞬間私の頭に降って来た手刀は人でも殺せるんじゃないかと言う勢いで思わず泣きそうになんたが今はそれどころではなくて、レイジさんが私の為に作ってくれた沢山の可愛らし過ぎるケーキを頬張る事に夢中だ。


やっぱりレイジさんはすごい!こんなに可愛くて綺麗なケーキを沢山作れるだなんて…尊敬しちゃうな。


「格好良くて家事が出来るとか反則じゃないですか?何人女の子はべらせたいんですか、野獣ですか」


「褒めるか貶すかどちらかにして頂きたいものですね…全く」



呆れながらも優雅に私の紅茶のお代りを淹れてくれるレイジさんは本当に絵になっていて
そこだけ何処かの絵画から切り取ったような光景だ。



「…全て、貴女の為ですよ。」


「え、」


小さく呟いたか絵の独り言を聞き逃すことはなくて首を傾げれば困ったように微笑んだ。


「愛しい愛しい花子さんは家事も何もかも全て私より劣っておりますので…そんな愛すべき貴女を私から離れなくさせてしまいたくて、こうして甘やかしているのですよ」


「…レイジさんこそ褒めるか貶すかどちらかにして頂けませんか?」



恥ずかしくてそれを隠すように、更に沢山お手製ケーキを頬張る。
けれどそんな行動さえ裏目に出てしまったようで、慌てて食べたものだから
口の端に生クリームが付いてしまっていたようで、ペロリと彼の舌で掬われてしまった。


「れ、イジ…さ!」


「ふふ、どうやら私は自身の作ったものにも嫉妬しまうようだ…ねぇ花子、ケーキばかり見ていないでこちらを向いて?」



だから!肝心な時に呼び捨てだなんて狡いと思うんです!
真っ赤になりながらも言われた通りケーキから視線を外して彼を見れば満足そうに微笑んだレイジさんに見惚れてしまう。
嗚呼、やっぱりレイジさんって本当に素敵な人だ。


「レイジさんはどうして私なんか好きになったんですか?」


「そうですね…それは私も疑問ですが、」


ずっとずっと思っていたことを口にすれば困った微笑みで返されてしまう。
そうだよねぇ…私みたいなの好きになるとか言っちゃ悪いけど本当ちょっと頭おかしいと思う。


そんなネガティブな事を考えていれば唇に降りてくるヒヤリとした感覚。
あ、どうしよう…やっぱりレイジさんのキスは気持ちがいい。



うっとりしてしまえば、ふわりと瞳を細める彼が愛おしい。



「私はね、愛に理由なんてないと思ってるんですよ」



自信満々で不敵にそんな事。
だったらもう私は貴方のその愛を信じて溺れるしか選択肢はなくて
そのままお返しにと綺麗な彼の唇へと噛み付いた。



「嗚呼、やっぱりレイジさんは私の最高のお嫁さんです」



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