0時0分5秒の告白
「ルキ君、ルキ君、知ってる!?実は私カールハインツ様の生き別れのお姉ちゃんなんだよ!?」
「おい花子、せめてもう少し有意義な嘘は付けないのかはやり貴様は脳みそも家畜かいや家畜以下か?」
「いひゃいいひゃい!!」
四月馬鹿などと言う下らない行事に乗ってしまったこの愚か者は先程からずっと下らない嘘をつき続けている。
いい加減うんざりしたのでそのぷよぷよの頬を盛大に抓って伸ばしてやれば降参だと言わんばかりにバシバシと俺の腕を叩いてくる。
頬を抓られているから何も言えないのだが
それでも体全体で助けてくださいと言わんばかりに動きが激しすぎる花子の行動が煩くて
仕方なしに手を放してやれば赤くなった頬をさすりながらじとりとこちらを睨みつける。
「別にお祭りなんだからさぁ…そんな有意義とか面倒な事考えないでいいのに…ルキ君は頭カチカチだよね!」
「…なんだと?」
彼女の失礼すぎる発言にピシリと青筋を立ててしまえば恒例となった花子と俺の戦いが始まる。
そもそも四月馬鹿でも嘘をついていいのは午前だけだとかそんな細かい事はこの際どうでもいい。
花子に小馬鹿にされるなど俺のプライドが許さない。
「花子は知らないだろうが俺は逆巻シュウのクローンなんだ。だから身長は一緒だし、体重も近い。」
「えぇ!?そうなの!?そんな大事な事もっと早く言ってくれれば…………はっ!」
あからさまな俺の嘘にすんなり引っかかった花子を嘲笑すれば
ぎりりと彼女の表情が悔しさで歪む。
ふん、俺を小馬鹿にした貴様が悪い。
けれどそのまま黙っているほど花子はおしとやかな人間ではない。
この言葉をきっかけに俺達は数時間に渡る嘘のつきあいを開始してしまった。
「はぁ…はぁ…も、もう限界かも…」
「ふん…貴様もなかなかやるな。」
互いにぐったりしながらソファに項垂れて小さく笑う。
いつだって花子と過ごすときは何も細かい事を考える隙さえ与えてくれない。
俺の考えるまま思うがまま行動している。
そしてチラリと時計を見て俺はいつも以上にはっきりした声を部屋に響かせた。
「花子…いつも俺の傍に居てくれてありがとう…愛している。」
「る、るるるるるルキ君!?」
「はっ!最後の最後にひっかかたな愚鈍め。これで貴様の負けは確定した。なんせもう0時を過ぎたからな。」
「ぎぃぃぃい!く、悔しい!最後乙女心を弄ばれた挙句負けとか悔しい!!来年は絶対勝つし!!」
馬鹿にしきってそう言ってやれば怒りで顔を真っ赤にしてじたばた暴れながら
もう既来年の嘘を準備し始めた花子を見て苦笑する。
そうだ、馬鹿で愚鈍なお前はそのままでいい。
チラリともう一度時計を見てまた一つ息を吐く。
4月2日0時0分5秒に放った俺の愛の告白にお前が気付くのはいつなのか
そればかりが楽しみで仕方がない。
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