早朝の訪問者


…朝5時に携帯の着信で叩き起こされたかと思えば
その相手は既に玄関で私を待っているようで
急いで準備をして扉を開ければそこに立っていたのは何処か普段よりそわそわしちゃってるダンディな王様が1人。



「やぁ、花子。おはよう。今日が楽しみで仕方なくて」



「…お店は大体10時位からしか空いてませんよカールハインツ様」



本日王様と素晴らしきデート日和である。




事の始まりは彼の素晴らし過ぎる好奇心からである。


「庶民の生活というモノを味わってみたい」


突然そんな事を言いだしたものだから彼の周りは大慌てである。
だって仕方ない。彼はやっぱりヴァンパイアの王様だから周りの方だって貴族で固められてしまっている。
庶民の生活と言われても…と言う感じである。



そこで白羽の矢が立ったのがこのスーパー一般間である私だ。
どこをどうして彼と知り合いになってしまったのかは未だにちょっと自分でも分からないけれど
カールハインツ様の知りうる限り私ほど庶民はいなかったらしく、こうして一日彼を庶民的デートというやつを実行に移すことになった。



…なったのはいいのだが。




「幾らなんでも早すぎますよ!朝5時ですよ5時!!こんな時間からどこ行くんですか!!24時間営業の定食屋位しか開いて無いですよね!」



「定食屋が24時間!?素晴らしい…では早速そちらへ行こう。」



「光の速さで食いついた!!」




どうやら彼は予想以上に今日という日が楽しみだったようで
まさかの吸血鬼様のクセにこんなどっかのおじいちゃんしか起きないような時間に訪問してくれやがったのである。


そして私の言葉に盛大に食いついてしまった彼の手にぐいぐい引っ張られる形で王様と庶民との一日限りのデートが幕を上げてしまったのである。




正直言っていいのならば先が思いやられてしまって今すぐ死にたいです。



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