第二ラウンド王様ゲェェム!
「………で?何で俺は縛られて無神家に連れて来られたわけ?」
「えっとシュウさん…ごめんなさい…ユーマ君がどうしてもって、」
逆巻シュウが不機嫌な顔でこちらを見上げる。
そして花子はそんな彼に向けて困ったように微笑んだ。
仕方ない…今回ばかりは仕方ない。
もう既に椅子に腰かけてスタンバイをしているユーマはやる気満々なのだから。
「おいニート、お前も座れ。この前のリベンジすっぞ。」
「はぁ?一体なに………、あぁ。」
花子によって縄を解かれた彼はユーマの言葉に首を傾げていたが
心当たりがあったのかニヤリと意地悪く微笑んで丁度ユーマの向かいの椅子に腰かけた。
「前の王様ゲームで俺に骨抜きにされたのそんなに悔しかったんだ…いいぜ、続き、シてやるよ。」
逆巻シュウの挑戦的な微笑みにユーマとの間に火花が散る。
そう、以前の王様ゲームにてユーマは逆巻シュウに盛大に唇を奪われて穢され
以来、それがトラウマになってしまったらしい。
なので今回はその復讐をと言う事で、俺たち兄弟、花子、逆巻シュウだけで王様ゲームのリベンジをしようと言う流れになったのだ。
予想以上にすんなりと受けてくれた彼に少しばかり安堵しつつ
俺達の第三回王様ゲームの幕は切って落とされた。
「はいっ!王様だーれだ!!」
「っしゃぁ!!俺だ!!!!」
相変わらず明るいコウの声にユーマが勢いよく立ち上がった。
よくやったユーマ!早く逆巻シュウの番号を当ててこの下らないゲームを終了させろ!
…しまった、少しばかり本音が。
「んーじゃぁ…3番が今日の下着の色を暴露だ!」
…おい、ユーマ。
今日は逆巻シュウへの復讐のはずではなかったか?
どうして花子をじっと見ながらそんな質問をするんだ。そして花子も何もわかっていないのか首を傾げるんじゃない。
幸いな事に3番は花子ではなかったようで…ユーマは小さく舌打ちをしたがこの時点で彼への調教は確定してしまったのだが
ひらひらとその3番をくじを仰いだのは逆巻シュウだった。
「…あんた俺によっぽど恨みがあるんだな。…えっと、下着の色下着の色…」
「え、えぇ!?しゅしゅシュウさん!?」
突然逆巻シュウは自身のパンツのウエスト部分をガバっと開けてじっと見つめだした。
お、おい!花子もいるんだぞ!何をしている!!
彼女はもう顔面真っ赤じゃないか!!
そんな事を考えていれば彼からとんでもない爆弾発言。
「あ…………今日はいてない。」
「穀潰しぃぃぃぃぃい!!!!!!!!!!」
そんな彼の言葉と同時に扉が壊れるのではないかと思うくらい大きな音を立てて開かれたかと思えば
鬼のような形相の逆巻レイジが乱入してきてしまい、そのまま長男の首根っこを掴んでずるずると何処かへ引きずって行ってしまった。
そして数分後、何事もなかったかのように逆巻シュウだけ帰って来たかと思えば再び爆弾発言。
「えっと、今日はグレーで」
しーん…
「に、ニート…履かされたのか?」
「俺のおパンツ事情はレイジに聞けば全部把握してる。」
………おい、逆巻レイジが可哀想すぎるだろ。
今度、アイツにカルボナーラをご馳走してやろう。
「さ、さぁ次々!!王様だーれだ!!」
「ふふ…俺、だ…」
仕切り直したコウの声に今度はアズサがへにゃりと笑う。
無神家きっての純粋培養のアズサだ…ならば命令も普通なものだろう。
「えっと…じゃぁ、1番と…4番が…1分間…見つめ、あう…」
事前に再び引かれ直したくじを見る。
良かった…俺は3番だ。
「あっ!俺一番じゃーん!ホラホラ!アイドルに見つめられちゃう光栄な女の子は誰かな?」
…コウ、ココに女性は花子しかいないのだが貴様も花子狙いか。
ビキリと青筋を浮かべればどうしてか花子が立ち上がる代わりにまたしても立ち上がったのは…
「これは何かの呪いなのか…?はぁ…めんどくさ…」
「えー!?シュウ君なの!?ちぇー花子ちゃんがよかったのに!!」
ぶーぶーと文句を垂れるコウを見て再び盛大に溜息をついた彼は
突然ガシっとコウの顔を固定して鼻先が触れそうな距離でじっと彼を見つめる。
「え、あ、あの…シュウ君?」
「ホラ…目を逸らさないで………俺を見て?」
くたりと首を傾げた逆巻シュウの笑顔に何故かコウの顔がみるみる赤くなっていってしまう。
コ、コウ!負けるな!!負けるんじゃない!!
無神家一の美形がそんな奴にメロメロになってしまってどうする!!!
そしてようやく30秒経過した頃…
「しゅ、シュウ君…ほ、ホント…もう、無理…やだよ」
「だぁめ…あと30秒…俺から一瞬たりとも目を逸らすなよ?」
…なんだこの少女漫画チックなシチュエーションは…
周りに点描浮いていてもおかしくはない…おかしくはないが二人とも男だ。
そこのところを忘れないでいて欲しい。
そしてついに一分が経過してようやく解放されたコウは何故か俺にぎゅうぎゅうと抱き付いてきてしまった。
…おい大丈夫かアイドル。
「ルキ君…俺、アイドルなのに負けた気がする…うぅ、」
「コウ…お前はよく頑張った…頑張ったさ…今夜はボンゴレビアンコだ…」
「ルキぐーん!!!!!」
全く…俺の弟のプライドを盛大に傷付けおって…
許さん、逆巻シュウ。
「うっうっ…じゃぁこれで最後だよ…王様だーれだ…」
すっかりテンションが下がり切ってしまったコウの掛け声に自身のくじを見てニヤリと笑う。
ふ…遂に貴様の最期だ逆巻シュウ!
「俺が王様だ…」
「………へぇ」
互いに睨み合いながら俺は彼の手元を確認する。
申し訳ないが先程仕込ませてもらったぞ…これで弟達の無念をはらさせてもらおう!!
「では…2番が秘密を暴露…だな」
悪い笑みを浮かべてそう言えば、どうしてか逆巻シュウもニヤリと気味悪く微笑んだ。
…なんだその余裕の笑みは…貴様が2番だろう?
なのにどうしてそんな笑い方をする。
ガタリと椅子から立ち上がった彼は俺達を見降ろしてとんでもない事を口走った。
「無神家おちんランキング発表…逆巻ライト調べ。」
「「「はぁぁぁぁぁあ!!!!?」」」
な、何なんだその爆弾発言は!
俺とコウ、ユーマが顔色を上げて立ち上がる。
やめろ…本気でやめてくれ!ここには花子がいると言っている!!!
そしてアズサ!お前も少しは動揺しろ!首を傾げてキョトンとしている場合ではない!!!
きっと予想的にはお前が最下位なんだぞ!?
しかし俺達の動揺虚しく逆巻シュウの口から爆弾は投下されてしまった。
「第一位、無神アズサ…第二位、無神コウ…第三位、無神ユーマ………第四位、無神ルキ。」
「「ぶふぉ!!!!」」
「な…なんだと…!?」
彼の順位発表にコウとユーマが同時に吹き出して俺はその場に崩れ落ちた。
俺が…俺が最下位だと…!?一位だと思っていたのに!!!
わなわなと震えていれば逆巻きシュウは俺に追い打ちをかけてくる。
「因みにライトは全部ちゃーんと見たらしいから…この情報は確実だ。…残念だったな、おにいちゃん」
「ルキ……、」
彼の見下しきったそんな言葉にどうしてかアズサがおずおずと俺の肩に手を置いて
ニッコリと微笑んで必死に言葉を紡ぐ。
「ルキ…おおきさじゃない……テクニック!」
…なぁアズサ…一位のお前に必死に慰められてお兄ちゃんは本気で泣きそうだ。
けれどそんな光景を見ていた花子は徐に俺のくじを取り上げてニッコリと微笑んでくれた。
「王様私!えっと、ルキさんは私の膝枕で私に慰められる事!!」
「………花子、」
そんな優しい言葉に俺は傷付きすぎた満身創痍の心を癒すべく
彼女の膝へと導かれて柄にもなくぎゅっと花子の腰へと抱き付いた。
「えっと、私もテクニックだと!思う!!」
「……………なぁ、泣いていいか?」
王様ゲーム。もう二度と逆巻シュウは入れない。
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