愛も程々に


俺の彼女はすっごく変。



「なぁ花子…」



「んあああああ!?ちょ、あの…シュウ様!ちょ、あの…まっ!」



「落ち着け…とりあえず、落ち着け。」




何かちょっと寂しくなって彼女である花子を後ろから抱き締めれば響き渡る断末魔に聞こえないように溜息。
俺の彼女が俺を好きすぎて気持ち悪い。


どうにか落ち着かせようと強めに抱き締めて頭を撫でれば動きは止まったが
今度は興奮しすぎて泣きだしてしまった。
…なぁ、俺にどうしろって言うんだお前は。


たかだか後ろからのハグくらいで断末魔と号泣されてはこれ以上先なんて進める訳なくて…
先が思いやられるとでかい溜息を吐いてしまえば急に静まり返ってしまう俺の腕の中の花子。




「………花子?」


「…シュウ様…あの、ごめ…ごめんなさい…私、何か貴方様の気分を害する発言を…?う、うぅぅ…」


「…はぁ、オマエな。」



さっきとは違った…嬉し泣きではなくて本気でどうしようと混乱してパニックに陥った花子の涙に
俺はその場で彼女を押し倒した。
すると今度は酷く怒られてしまうと勘違いしたのか大粒の涙を零しながら「ごめんなさい」「きらわないで」「すてないで」と必死に懇願を始めてしまう。



「なぁ花子、俺ってそんなに信用ないの?」



「シュウ様?」



「後それやめろ。彼氏に向かって様付けとか気持ち悪い。」




ちゅっと頬にキスしてやればぶわっとすごい速さで赤くなってしまい
恥ずかしかったのかその顔を両手で隠して俺の下でもだもだし始めてしまった。
…なんか、コレ面白い。




「花子、花子…愛してる。ちゃんと愛してるから俺の顔色ばかり伺うのはよせ。」



「や、やだ…やめてくださいシュウ様…あの、私…ホント、心臓止まっちゃう…」



「ならホントに止めてやろうか…?………ん、」



「あ……っ!?」




彼女の可愛らし過ぎる台詞に小さく笑ってそのまま首筋ぬ噛み付けばパニックになった花子が
それでも遠慮がちに俺の髪を掴んで浅く息をする。
こんな時まで俺に遠慮とか…健気と言うかなんというか。
一通り彼女の血を吸って牙を引き抜けばビクリと揺れる体にまた苦笑してしまう。



「こうやって何度も何度も俺と交わって…そして覚醒すればいい。そしたらココの心配しなくて済むだろ?」



「シュウ様…」



「だからシュウ様じゃない…シュウって呼べ。」




ツ…と、彼女の胸を指でなぞれば蕩けた表情で俺を見上げる花子に思わず理性が飛びそうになる。
けれど今は我慢だ。
少しばかりのスキンシップでこんな状態の花子を抱いてしまえば間違いなく彼女の心臓が止まってしまいそうだ。




「なぁ花子…はやく慣れて?俺はもっとお前と繋がりたいし、交わりたい」



「う…うぅ〜!」



放り出されてしまってる小さな手を絡め取って互いの距離を近付ければ彼女の顔は更に赤くなる。
そして急に俺の身体はぐいっと彼女の方へと引っ張り込まれてしまう。



「は?おい、ちょ…花子?」



「んんんんんん!!!シュウさんぎゃっこいいい!!!!!」



「ふは…っ、なんだよそれ…まぁ及第点か。」




ぎゅうぎゅうと俺を羽交い絞めにするかのように抱き付いた彼女の叫びに
思わず柄にもなく吹き出してしまった。
ったく…恥ずかしいからって俺の顔が見えないようにこんな抱き方するか?フツー。



「花子ってホント…かわいい」



先程変わった「シュウ様」から「シュウさん」呼びに
満足はしていないが、今の彼女の精一杯だと悟り俺もそんな頑張った花子を優しく抱き締め返した。




俺の事を好きなのはいいけれど…
程々にしておいてくれよ?



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