薬物依存症
飲んでも飲んでもこの気分の悪さは収まらない。
どうしたらこの気持ち悪さから逃れることが出来るのか…
「ああ、もう…」
これで何錠目だろうか…
私の周りには薬のからが散乱している。
キモチワルイ。
頭も胸も身体も、全部気持ち悪い。
自己嫌悪をなれの果てがこの状態だなんて笑えてしまう。
きっと私はどこかおかしいんだ。
だからそれを治すのに沢山の薬を飲んでいるのに一向に良くならない。
ああもう、何のための薬だよ。
でもどうしてもこの気持ち悪さから解放されたくてまた沢山の錠剤を手に零して飲み干そうとしたけれど
それは全てばらばらと床に零れてしまう。
「花子、」
低くて甘い声が脳に直接響く感覚。
薬を広げていた手を優しく取られてそのまま彼の唇が掌へと零れた。
ふわり、ひとつ気持ち悪さがとれたきがした。
「ルキ君、もっと…」
ああ、見つけた。
ようやく見つけた私の薬。
私の懇願を易々と受け入れたその薬は優しく体を抱き寄せて、気持ち悪い場所、額、瞼、頬、胸、たくさんの場所に唇を落としてくれる。
その度にひとつ、ひとつ、不快感が体から消えていく。
けれど私は知っている。
薬というものは過剰摂取してしまうと毒になってしまうのだ。
「花子、花子…もうこんなもの全て捨ててしまえ。」
「ルキ君、ルキ君…もっと…もっと名前呼んでよ…」
大量の錠剤がゴミ箱へ放り込まれてしまう。
残された薬は目の前の貴方だけ。
ならもう私は中毒を覚悟に手を伸ばすしか他に道はない。
私の体の異常を治すのはいつだって薬なんだもの。
「花子…ホラ、もう俺だけでいいだろう?」
最後に取っておいたであろう唇にもその冷たいモノが触れて
薬は笑う。
やさしく、わらう。
「ルキ君だけ…?他は?」
「花子には必要ないさ…」
こんな私を溺れさせてどうするつもりかは分からない。
分からないけれど…
「じゃぁ、ずっと一緒に居てね…?」
私はきっとこの無神ルキと言う薬に殺される運命らしい。
「ああ、花子は俺だけを過剰摂取していればいい」
他の薬を摂取していた私の身体はゆっくりにしか動かない。
けれどそれでもこの目の前の薬を貪りたくてそのまま首に腕を絡める。
いつだって私は薬物依存症だ、
何かに、誰かに依存していなければ生きることが出来ない私は
非常に脆弱な生き物。
「花子一人くらい、包み込んでやるさ」
望んでいたそんな言葉に私は薬漬けの涙をひと粒零した。
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