熟年カップル


「うえーん!甘いの食べたい!甘いのたべたーい!!」



「…………ぐぅ、」



「ぶっとばしたい。」




シュウのベッドの上でごろごろ転がりながらそんな台詞を吐いてチラリと彼を見れば盛大に爆睡中な私の最愛。
ちょっと、無視までは許すけど爆睡とか…そんなに私と一緒に居るの面白くないのか。


小さくため息を吐いてベッドから降りてソファに腰かけてクッションを抱き締めて盛大に拗ねる。
じっとシュウを睨みつければようやくその重すぎる瞼を開けてきょろきょろと辺りを見渡している。
くそう、私と言う抱き枕を探しているな?



「シュウ、私、こっち。」



「ん、……ああ、…で?」



私の声を認識してゆったりとこちらを向いたと思えばくたりと首を傾げるシュウに私も同じく首を傾ける。
数秒そうしていればシュウの口から思わぬ言葉。



「あまいの、何食べたいの…」



「きいてたの!?」



びっくりしてそう問えば「花子の声は全部聞いてる」とかとんでもなく格好良い台詞を投下しやがった逆巻シュウ本当に罪深い。
そしてそんな嬉し過ぎる言葉をくれたから私の顔は嬉しさと幸せで破顔している。



「そうなんだー。甘いの食べたくなって…あ、でも今はシュウみたいなシュークリーム食べたいなぁ」



「ん」



「は?」




によによしながらそう言えばどうしてかシュウはスッと自身の足の間を指さす。
………言いたいことは長い事付き合ってるから分かるけど。
いや、分かるからこそこの長男を撲殺したい気分だ。



シュウはそんな私の考えをよそに未だに寝ぼけた顔のままゆるーい口調で予想通りの爆弾発言。




「食べるんだろ?俺のシュークリーム」



「おい彼女にダイレクトにセクハラ発言とかどういった了見だぶっとばすぞ」



すっごく顔を赤くしてシュウに掴みかかり何度も体をガクガク揺すっても未だに彼は半分夢の中だ。
もうこのドエロ吸血鬼何とかしてほしい!!
彼の言いたいことはこうだ。



“そんなあまったるいもん食ってる暇があるなら俺に奉仕しろ”



「んもぉぉぉお!さっき格好いいとか思っちゃった私のトキメキを返してちょうだい!!」



「あー…でも俺のってあんなにドロドロだっけ?…どうなの?花子、知ってるだろ?」



「餌のお話も聞いてあげようかお貴族吸血鬼様よぉぉお!!!」




大きな声で叫び散らせば深く塞がれた喧しい唇。
くっそ、シュウはこうしたら私が大人しくなるのを知ってる。



暫く角度を変えて何度も唇を堪能されてしまえばもう私は何も言う事が出来ない。
そんな私を見てシュウはニヤリと悪い顔。



「ホラ、どーぞ?俺を召し上がれ?」



うるさい、うるさい。
そんな事、そんな声で、そんな顔で言わないで。
シュウかそんなんだから私はいつだって彼の思い通りに動いちゃうんだ。



「あーもう!イタダキマス!」



「ん」




盛大に叫べば彼は私を抱き締めてそのままベッドへと倒れ込んでしまった。
なんだよなんだよ!もう!



「甘いのに私が気を持ってってるのが気に食わないならそう言いなさいよね!!」



付き合ってる時間が長いならもう彼の言葉の裏側だってかるーく読めますよ。
意外にも独占欲が強すぎるこの彼氏ムカツクしエロいけど、でも愛しい。




「いつだって花子の頭の中は俺だけじゃないとヤなの。」




もう私に隠し事したって無だって分かってるシュウも
照れ隠しだなんてしないでそのまま心の内を暴露する。
ああもう仕方ない。
今回は最愛を淋しがらせてしまった私に非がる。




「お詫びに一杯シュウを堪能させていただきます。」




私のそんな言葉にシュウは満足そうに微笑んだ。



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