嘘でもいいから
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好意を寄せていることをデュースに告げた時、返答を聞くより先に彼の表情から全てを理解してしまった。
彼にとっては自分は友達で、それ以上でもそれ以下でも無いのだと、分かりきっていたはずなのに。
──何気ない日常の中で、抱いていた感情が友愛から恋慕へと変わったことに気付くのは、そう遅くはなかった。
休み時間中、エース達との雑談の中で出てきた恋人というワード。自分には分からないと眉を寄せたデュースの表情。揶揄われながらも真面目に思い悩む姿がいやに印象に残っている。
彼ならこの想いに応えてくれるのではないか、そんな望みを言の葉に託して──
そうして話は冒頭へ戻る。
零れそうになる涙を堪え、ぎこちなく口角を上げると彼の方へと向きなおった。
今、彼と向き合っている自分は上手く笑えているだろうか。せめて一度だけ、明日からは友達に戻るから──
「監督生」
今だけは抱き締めて欲しい。そう許しを乞うより先に彼の温かな腕が自分を包み込んでいた。
「泣くな、泣かないでくれ」
そこに友情以上の感情が無いことを知りながら、彼の優しさに付け入ってこの抱擁を享受する自分の狡さを、彼は許してくれるだろうか。目次へ◇top