執着
なまえのドレス選びから一夜明けた日の夕方、俺はツォンの運転する車で美容室前へ来ていた。着替えとヘアセットを終えて美容室から出てきた彼女は、俺が選んだラベンダーカラーのドレスを着こなし、緩やかにウェーブさせた髪はまとめて数束の後れ毛を揺らした。車の前に立つ俺の姿を認めると、にっこり笑ってこちらへ向かってくる。
「秘書として連れて行くのが勿体ないな。」
「?」
「今からでも遅くはない、婚約者として出席するか?」
「えっ?何を仰いますか!」
素直な感想だった。秘書として紹介すれば、安心した他の男が狙いに来かねない。であればいっそ「神羅カンパニー副社長の婚約者」としてしまえば、誰も手出しはできないだろう。しかし彼女は「恐れ多い!」と顔を横に振るばかりだった。
もともと映える容姿の彼女が華やかな雰囲気を漂わせているため、通りを少し歩くだけで周囲の人間が彼女をチラチラと見ている。男の目が多いな。なまえを迎えるようにして背に手を回すと、彼女は頬を染めて驚いたようにこちらを見た。俺はそれに気づかないふりをして周囲をぐるりと睨む。彼女に向けられていたいくつかの視線は、あっという間にあちこちへ分散した。
俺となまえを車に乗せるためドアを開けて待っていたレノが、なまえの首元を見るなり「…ずいぶん束縛の強いご主人サマだな、と」と俺にしか聞こえないように呟いた。レノには今夜なまえの護衛を任せている。「指一本触れさせるな」と低く言うと、レノは目を鋭くしたまま「りょーかいです、と」と気の抜けた返事をした。これはレノの仕事を全うせんとする姿だ。頼もしい彼の返答に満足し、車に乗り込んだ。
*
巨大なシャンデリア達が煌々と照らす会場に入ると、すでに多くの人間が集まって歓談していた。名だたる企業の重役や莫大な資産を持つ投資家、その子息や令嬢たち。どいつもこいつも表面上笑っているが、視線は相手の腹の内を探ろうとギラギラしている。
会場中央にいるのは主催者である取引先の社長だ。数名の重役たちに囲まれて話していたが、俺を見つけるなり足早に近づいてきた。此奴の売り上げの数十パーセントは神羅との取引の成果だったはず。意地でも取引を継続させたいのだろう、この男の話は見え見えの世辞とオヤジの賛辞がほとんどだった。鬱陶しい、腹立たしい、煩わしい…。負の感情が渦巻いて顔が歪みそうになるのを自分で感じる。
その時、とん、と後ろから小さい刺激を受けた。斜め後ろに立つなまえの顔を横目で見る。彼女は他の人間に見えないよう自分の体で手を隠して、俺の腰を軽く叩いたのだ。にこやかな表情を崩さなかった彼女は、一瞬こちらを見て笑みを深めてから俺と対峙する男に視線を戻した。俺の異変をいち早く感じ取り、誰にも気付かれないように梃子を入れる。さすが、「秘書モード」の彼女は完璧だった。
一通りの挨拶周りを終えて落ち着いた頃、静かなところで休みたかった俺はなまえを連れてテラスへ出た。神羅の本社ビルほどではないがそこそこ高層なホテルの一室、大きなパーティールームに併設されたそこは、八番街の夜景を一望できる。誰もおらず貸し切り状態なのが幸いし、入口のドアを閉めれば室内の雑音は遠くなり静寂が訪れた。胸下ほどの高さがある柵に近づきなまえと並んで夜景を眺める。なまえは秘書然としておとなしくしているが、キラキラと瞳を輝かせてネオンを見下ろしていた。おそらくテンションは上がっているのだろう。
隣に立つ彼女の頭部から凛とした横顔、首元に向かって視線を這わすと、その視線に気づいて体をこちらに向け首を傾げた。なまえの首元で輝く、一粒の宝石が付いた華奢なネックレス。透明度の高いブルーはダイヤモンドだ。希少性が非常に高く一般市場には滅多に出回らないそれは、なまえを秘書にする前に知り合いの宝石商から買い付けたものだった。「ルーファウス様の瞳のようですね」と胡散臭い笑顔を貼り付けておべんちゃらを言う男にあまり良い気はしなかったが、珍しいものだと言うので気分で買った。それがこんなところでネックレスとして昇華するとは思わなかったが。
「きちんと着けていて感心だ。」
「せっかく副社長からいただいたものですから。」
鎖骨付近から中指を引っ掛けて宝石に触れると、なまえはにこりと微笑んだ。嬉々としてそれを着けているが、なまえ、男が女にアクセサリーを贈る意味を知っているのか?俺にとってそれはなまえを縛り付ける首輪。白銀のチェーンがお前の首を縛り付け、俺の瞳のような宝石がギラリと周囲に向けて威嚇する。
仕事はできる、気遣いも人当たりの良さも見た目も一級、少々抜けているところもあるがそれもまた愛嬌がある。そんな彼女は少しでも放っておけば引く手あまただ。なまえは昨日俺に忠誠を誓った大切な秘書、何があっても手放したくはない。俺に尽くすとは言ってくれたが、万一の対策をしておきたかった。……どこへ行ったとしても力づくで連れ戻すが。
とは言え、こんな執着の意図を含んでいるということは知らなくて構わない。それを知って俺から離れられるくらいなら、何も知らないままその首輪を着けていてくれ。
ネックレスに掛けていた手を滑らせて、なまえの頬に触れる。見た目通りの柔らかく小さな顔は、昨日彼女の部屋で見たあの銀の丸いやつのお陰なのだろう。すり、と親指で撫でてみる。意外にも彼女は抵抗するでもなく、黙ってそれを受け入れた。照れたように、顔に熱を持たせて。
「いつもの威勢はどうした?」
「……雰囲気に、酔っているのかもしれません。」
誰もいない手入れの行き届いたテラス、灯りは夜景と間接照明だけ、めかしこんで対峙する男と女。夜の涼しい風が吹いて、なまえの後れ毛が揺れた。「わ、」と小さく言って俯き、再び顔を上げた彼女の顔は、秘書ではなかった。
「なまえ」
「副、社ちょ…」
たった一歩踏み出すだけで、呼吸が当たるほどに近づいた。黒い革靴と、白いハイヒールのつま先が触れ合う。包んでいた頬を緩い力で引き寄せると、なまえは一瞬目を見開き、そして顔が近づくに連れて細められて、ついには閉じた。少しだけ背を丸めて、数度顔を傾けて、もう数ミリで唇が触れる、その刹那。
「ルーファウス様!」
テラスのドアが開いた。我に帰ったのであろうなまえが、ぐいっと俺の胸板を押して離れ「すみません、私は少し化粧室へ…!」と言いコツコツと音を立てて走り去る。入口からこちらへ向かってくる女は、確か、どこかの企業の社長令嬢だったか。あまり記憶にはないが。令嬢は先ほどまでなまえがいた場所に立ち、俺の為にとシャンパンを手渡した。大方予想はできていたが、どうやら目的は"俺"だったようだ。俺のネームバリューか、容姿か、金か…この際どうだって良い。なまえを取り逃がした俺は最早令嬢の話など右から左だった。
一頻り(令嬢一人で)盛り上がったところで、彼女の細い指が俺の肩に触れた。それは徐々に下り、ジャケットのボタンを外してベスト越しに俺の腹を撫でる。不快で目の前の女を睨むと、彼女は自信満々に俺を見上げて口角を上げていた。そんな程度で俺を誘惑したつもりか。
徐々に距離を詰める令嬢に怯むこともなく睨んでいると、後ろからツォンがやってきた。俺にしか聞こえないよう耳元で受ける報告に、俺は落としていた視線をツォンに向けた。その目だけで俺の求める答えを理解したこの男は、「化粧室の出口で待ち伏せされていたようです。今、レノが止めています。」と淡々と報告を続けた。
「失礼。」
とりあえず一言だけ断り、俺はツォンと共にテラスを出た。本当は一瞥もせず踵を返したかったが、そうしなかったのはあの有能な秘書が「少しは愛想よくすべきです。どこでビジネスチャンスに繋がるか分かりませんよ。」と俺の頭の中で叱ってきたような気がしたからだ。
ツォンに車を表に回すよう指示してから、化粧室前の廊下へ足を進める。そこには有名な資産家の子息と、愛想笑いを返すなまえ、そして威嚇するように彼女の後ろに立つレノがいた。レノの手は後ろに回っており、おそらくロッドを握っているものと予測できた。「指一本触れさせるな」という命令を忠実に守っているらしい。
子息のなまえを見る目は明らかに狙いを澄ました肉食獣だった。ジロジロと胸元や足元を舐めるように見、そして顔を見る。神羅の副社長秘書として愛想よく微笑んでいる彼女だが、内心は不快感で一杯だろうと容易に推し量れる。だから、少し遠くから俺が声をかけると、ほっとしたように「副社長」と返事をしたのだ。
「誰の秘書を口説いているか、分かっているのだろうな。」
レノが後をついてくるのを感じつつ、なまえの肩を抱いてその場を離れる。あの男の御父上には、後できつく忠告しなければなるまい。
「真っ直ぐ俺の部屋へ。」
「なまえは?」
「連れていく。」
運転席のツォンにそう告げると、ツォンは一拍おいて「了解しました。」と車を発進させた。
なまえにも、もっと警戒心を持つよう言って聞かせなければ。彼女が何も悪くないことは分かっている。一方的に絡まれただけだ。しかし、沸々と沸き上がる彼女への征服欲、執着心、嫉妬心。渦巻くどす黒い感情を、抑えることができなかった。あの令嬢の邪魔が入らなければ、あの男がなまえを口説かなければ。このようなクソみたいな感情など抱かなかったのだろうか。
「秘書として連れて行くのが勿体ないな。」
「?」
「今からでも遅くはない、婚約者として出席するか?」
「えっ?何を仰いますか!」
素直な感想だった。秘書として紹介すれば、安心した他の男が狙いに来かねない。であればいっそ「神羅カンパニー副社長の婚約者」としてしまえば、誰も手出しはできないだろう。しかし彼女は「恐れ多い!」と顔を横に振るばかりだった。
もともと映える容姿の彼女が華やかな雰囲気を漂わせているため、通りを少し歩くだけで周囲の人間が彼女をチラチラと見ている。男の目が多いな。なまえを迎えるようにして背に手を回すと、彼女は頬を染めて驚いたようにこちらを見た。俺はそれに気づかないふりをして周囲をぐるりと睨む。彼女に向けられていたいくつかの視線は、あっという間にあちこちへ分散した。
俺となまえを車に乗せるためドアを開けて待っていたレノが、なまえの首元を見るなり「…ずいぶん束縛の強いご主人サマだな、と」と俺にしか聞こえないように呟いた。レノには今夜なまえの護衛を任せている。「指一本触れさせるな」と低く言うと、レノは目を鋭くしたまま「りょーかいです、と」と気の抜けた返事をした。これはレノの仕事を全うせんとする姿だ。頼もしい彼の返答に満足し、車に乗り込んだ。
*
巨大なシャンデリア達が煌々と照らす会場に入ると、すでに多くの人間が集まって歓談していた。名だたる企業の重役や莫大な資産を持つ投資家、その子息や令嬢たち。どいつもこいつも表面上笑っているが、視線は相手の腹の内を探ろうとギラギラしている。
会場中央にいるのは主催者である取引先の社長だ。数名の重役たちに囲まれて話していたが、俺を見つけるなり足早に近づいてきた。此奴の売り上げの数十パーセントは神羅との取引の成果だったはず。意地でも取引を継続させたいのだろう、この男の話は見え見えの世辞とオヤジの賛辞がほとんどだった。鬱陶しい、腹立たしい、煩わしい…。負の感情が渦巻いて顔が歪みそうになるのを自分で感じる。
その時、とん、と後ろから小さい刺激を受けた。斜め後ろに立つなまえの顔を横目で見る。彼女は他の人間に見えないよう自分の体で手を隠して、俺の腰を軽く叩いたのだ。にこやかな表情を崩さなかった彼女は、一瞬こちらを見て笑みを深めてから俺と対峙する男に視線を戻した。俺の異変をいち早く感じ取り、誰にも気付かれないように梃子を入れる。さすが、「秘書モード」の彼女は完璧だった。
一通りの挨拶周りを終えて落ち着いた頃、静かなところで休みたかった俺はなまえを連れてテラスへ出た。神羅の本社ビルほどではないがそこそこ高層なホテルの一室、大きなパーティールームに併設されたそこは、八番街の夜景を一望できる。誰もおらず貸し切り状態なのが幸いし、入口のドアを閉めれば室内の雑音は遠くなり静寂が訪れた。胸下ほどの高さがある柵に近づきなまえと並んで夜景を眺める。なまえは秘書然としておとなしくしているが、キラキラと瞳を輝かせてネオンを見下ろしていた。おそらくテンションは上がっているのだろう。
隣に立つ彼女の頭部から凛とした横顔、首元に向かって視線を這わすと、その視線に気づいて体をこちらに向け首を傾げた。なまえの首元で輝く、一粒の宝石が付いた華奢なネックレス。透明度の高いブルーはダイヤモンドだ。希少性が非常に高く一般市場には滅多に出回らないそれは、なまえを秘書にする前に知り合いの宝石商から買い付けたものだった。「ルーファウス様の瞳のようですね」と胡散臭い笑顔を貼り付けておべんちゃらを言う男にあまり良い気はしなかったが、珍しいものだと言うので気分で買った。それがこんなところでネックレスとして昇華するとは思わなかったが。
「きちんと着けていて感心だ。」
「せっかく副社長からいただいたものですから。」
鎖骨付近から中指を引っ掛けて宝石に触れると、なまえはにこりと微笑んだ。嬉々としてそれを着けているが、なまえ、男が女にアクセサリーを贈る意味を知っているのか?俺にとってそれはなまえを縛り付ける首輪。白銀のチェーンがお前の首を縛り付け、俺の瞳のような宝石がギラリと周囲に向けて威嚇する。
仕事はできる、気遣いも人当たりの良さも見た目も一級、少々抜けているところもあるがそれもまた愛嬌がある。そんな彼女は少しでも放っておけば引く手あまただ。なまえは昨日俺に忠誠を誓った大切な秘書、何があっても手放したくはない。俺に尽くすとは言ってくれたが、万一の対策をしておきたかった。……どこへ行ったとしても力づくで連れ戻すが。
とは言え、こんな執着の意図を含んでいるということは知らなくて構わない。それを知って俺から離れられるくらいなら、何も知らないままその首輪を着けていてくれ。
ネックレスに掛けていた手を滑らせて、なまえの頬に触れる。見た目通りの柔らかく小さな顔は、昨日彼女の部屋で見たあの銀の丸いやつのお陰なのだろう。すり、と親指で撫でてみる。意外にも彼女は抵抗するでもなく、黙ってそれを受け入れた。照れたように、顔に熱を持たせて。
「いつもの威勢はどうした?」
「……雰囲気に、酔っているのかもしれません。」
誰もいない手入れの行き届いたテラス、灯りは夜景と間接照明だけ、めかしこんで対峙する男と女。夜の涼しい風が吹いて、なまえの後れ毛が揺れた。「わ、」と小さく言って俯き、再び顔を上げた彼女の顔は、秘書ではなかった。
「なまえ」
「副、社ちょ…」
たった一歩踏み出すだけで、呼吸が当たるほどに近づいた。黒い革靴と、白いハイヒールのつま先が触れ合う。包んでいた頬を緩い力で引き寄せると、なまえは一瞬目を見開き、そして顔が近づくに連れて細められて、ついには閉じた。少しだけ背を丸めて、数度顔を傾けて、もう数ミリで唇が触れる、その刹那。
「ルーファウス様!」
テラスのドアが開いた。我に帰ったのであろうなまえが、ぐいっと俺の胸板を押して離れ「すみません、私は少し化粧室へ…!」と言いコツコツと音を立てて走り去る。入口からこちらへ向かってくる女は、確か、どこかの企業の社長令嬢だったか。あまり記憶にはないが。令嬢は先ほどまでなまえがいた場所に立ち、俺の為にとシャンパンを手渡した。大方予想はできていたが、どうやら目的は"俺"だったようだ。俺のネームバリューか、容姿か、金か…この際どうだって良い。なまえを取り逃がした俺は最早令嬢の話など右から左だった。
一頻り(令嬢一人で)盛り上がったところで、彼女の細い指が俺の肩に触れた。それは徐々に下り、ジャケットのボタンを外してベスト越しに俺の腹を撫でる。不快で目の前の女を睨むと、彼女は自信満々に俺を見上げて口角を上げていた。そんな程度で俺を誘惑したつもりか。
徐々に距離を詰める令嬢に怯むこともなく睨んでいると、後ろからツォンがやってきた。俺にしか聞こえないよう耳元で受ける報告に、俺は落としていた視線をツォンに向けた。その目だけで俺の求める答えを理解したこの男は、「化粧室の出口で待ち伏せされていたようです。今、レノが止めています。」と淡々と報告を続けた。
「失礼。」
とりあえず一言だけ断り、俺はツォンと共にテラスを出た。本当は一瞥もせず踵を返したかったが、そうしなかったのはあの有能な秘書が「少しは愛想よくすべきです。どこでビジネスチャンスに繋がるか分かりませんよ。」と俺の頭の中で叱ってきたような気がしたからだ。
ツォンに車を表に回すよう指示してから、化粧室前の廊下へ足を進める。そこには有名な資産家の子息と、愛想笑いを返すなまえ、そして威嚇するように彼女の後ろに立つレノがいた。レノの手は後ろに回っており、おそらくロッドを握っているものと予測できた。「指一本触れさせるな」という命令を忠実に守っているらしい。
子息のなまえを見る目は明らかに狙いを澄ました肉食獣だった。ジロジロと胸元や足元を舐めるように見、そして顔を見る。神羅の副社長秘書として愛想よく微笑んでいる彼女だが、内心は不快感で一杯だろうと容易に推し量れる。だから、少し遠くから俺が声をかけると、ほっとしたように「副社長」と返事をしたのだ。
「誰の秘書を口説いているか、分かっているのだろうな。」
レノが後をついてくるのを感じつつ、なまえの肩を抱いてその場を離れる。あの男の御父上には、後できつく忠告しなければなるまい。
「真っ直ぐ俺の部屋へ。」
「なまえは?」
「連れていく。」
運転席のツォンにそう告げると、ツォンは一拍おいて「了解しました。」と車を発進させた。
なまえにも、もっと警戒心を持つよう言って聞かせなければ。彼女が何も悪くないことは分かっている。一方的に絡まれただけだ。しかし、沸々と沸き上がる彼女への征服欲、執着心、嫉妬心。渦巻くどす黒い感情を、抑えることができなかった。あの令嬢の邪魔が入らなければ、あの男がなまえを口説かなければ。このようなクソみたいな感情など抱かなかったのだろうか。