煌びやかなシャンデリアが輝くホールには、名士たちの笑顔があふれ、高級シャンパンのグラスが次々と交わされていた。ルーファウス神羅が主催するパーティーは、業界関係者たちの間で最も注目される社交の場だ。だが、その華やかさの中に潜む陰謀を知る者はほとんどいなかった。

みみは、ホールの片隅で少し疲れた様子を見せながらも、ルーファウスの姿を目で追っていた。彼の背後で笑顔を浮かべながら話す令嬢エリナの存在が、どうしても気になってしまう。
「大丈夫。ルーは私だけのもの。」
自分に言い聞かせるように、みみはそっとグラスを握りしめた。

だが次の瞬間、異変が起きた。タークスの護衛が一瞬視線を外した隙を突いて、みみの肩を何者かがつかみ、静かにホールから連れ出したのだ。

***

気づいたときには、みみは薄暗い別室にいた。身動きしようとするが、手足はきつく縛られている。目の前には令嬢エリナの手下と思しき男たちが立ちふさがっていた。

「こんなことをして、ルーが許すと思うの?」
みみは冷たい視線を向けるが、男たちは口元に薄い笑みを浮かべるだけだった。

「それはどうだろうね。彼女に選ぶ猶予を与えれば、あの令嬢のほうが魅力的に映るかもしれないな。」

みみの胸は不安でいっぱいだった。それでもルーファウスへの信頼だけを心に抱き、静かに助けを待った。

***

その間、ホールではエリナがルーファウスに近づき、さらに距離を詰めようとしていた。
「社長、そろそろお一人になる時期ではないですか?私なら、きっと寂しい思いをさせません。」
彼女の手がルーファウスのスーツの袖に触れる。

だが、ルーファウスは微動だにせず、冷ややかな視線を向けた。
「話があるなら、今ではなく後でにしてもらおう。私の秘書がどこにいるか知らないか?」

その瞬間、彼の眉間に険しい皺が刻まれる。みみが視界から消えたことに、彼はすでに気づいていたのだ。

エリナは焦りを隠しながらも、微笑を浮かべる。
「あの女性ばかりに目を向けるのは勿体ないですわ。私のほうが――」

ルーファウスはその言葉を聞き終わる前に立ち上がった。
「みみ以外に興味はない。」
その一言が、エリナの心を突き刺した。

***

一方、タークスは迅速に動いていた。ツォンの指示のもと、みみの居場所を突き止め、暗闇の中を進んでいく。ドアを蹴破り、目の前の男たちを一瞬で制圧したのはルードだった。

みみは解放され、タークスに支えられてホールに戻る途中で、ルーファウスと出会う。

「みみ……」
その瞳には、彼女を失うことへの恐れが滲んでいた。

「ごめんなさい、ルー……」
みみが弱々しく呟くと、ルーファウスは一歩前に進み、彼女をしっかりと抱きしめた。

「何も言うな。君が無事ならそれでいい。」

彼の腕の中で、みみはほっとして涙をこぼす。その涙をそっと拭いながら、ルーファウスは優しく囁いた。
「君は、他の誰にも触れさせない。君は、私だけのものだ。」

***

その夜、パーティーを後にした二人はルーファウスのスイートルームへ戻った。ソファに腰掛けたみみの手を取り、ルーファウスは真剣な表情で言った。
「君の命が危険にさらされることは二度と許さない。君のそばを離れるのは、これからやめる。」

みみはそんな彼の言葉に安心し、彼の肩に頭を預けた。
「ルーがそばにいてくれるなら、私は何も怖くない。」

二人の間に甘い空気が流れる。ルーファウスはみみの頬にそっと唇を寄せると、彼女の耳元で囁いた。
「これからずっと、私のそばにいろ。何があっても、君だけだ。」

みみは彼の胸の中で微笑み、静かに目を閉じた。夜の静寂に包まれた部屋で、二人の愛はさらに深まっていくのだった。