DAY 3

3日目にもなると、みみの様子は目に見えて変化した。

昨日の羽の愛撫はみみが半狂乱ですすり泣くまで続けられた。目を覆う布を外してやると、思考を焼き切ったような惚けた瞳が現れ、ルーファウスはその場で彼女を犯し尽くしたい衝動を抑えるのに苦労した。

あの責めは相当に堪えたらしい。みみは体の疼きをどうにか鎮めたいようで、自慰しかける手をルーファウスは何度も制した。
そして夜は自ら体をすり寄せ、キスをねだった。じっと見つめてやるだけで息を乱し、目は常にしっとりと濡れている。
ルーファウスはその変化を喜ばしく思った。

「あぁ、その下着も似合うな」

みみはそれまで渋々着させられていたランジェリーを自ら纏い、ルーファウスの前に立った。
オープンカップの下着からは触ってもいないのに勃ち上がった乳首が存在を主張している。
ルーファウスはその卑猥な姿を目で堪能し、手招きをする。するとみみは体を擦り付けるように彼の隣に腰掛けるのだった。

「物欲しそうな顔だな、みみ」
「ん……」

剥き出しの乳首を指で弾いてやると、みみは甘い声を上げる。その目は期待に潤んでいるが、ルーファウスがそれ以上の刺激を与える事はなかった。

「映画でも観ようか」

みみの腰を撫でながらリモコンを操作すると、ひとりでにカーテンが閉じ、天井からスクリーンが降りてくる。みみはもじもじと脚を擦り合わせながらも、その様子を伺っていた。



ーー



『あっ…あぁん…』

スクリーンいっぱいに映し出される男女の裸体。
艶っぽい吐息と喘ぎ声。絡み合う肢体の濡れ光る汗。終わりのないセックスシーン。剥き出しの結合部が何度も映し出され、その度にみみは画面に釘付けになる。
ルーファウスは赤ワインを片手に悠然とソファに腰を落ち着けていた。

時折口に含んだワインを口移しでみみに飲ませてやる。その度に濃厚なキスをされ、アルコールの熱も相まってみみの全身は火照りきっていた。

『じゅる…っ』

画面の男が音を立てて女性の乳房にかぶり付く。吸い上げられた胸の突起がどのように刺激されているのか、みみはつい想像を掻き立てられてしまう。
乳房に触れようと無意識に伸びる手を、ルーファウスに掴まれる。みみはハッと息を飲んだ。
自分はまたー…

「ひあっ!」

しかしその思考は遮られた。ルーファウスが画面の男と同じように胸の突起に吸い付いたからだ。
体に電流が走り、みみは体をのけ反らせる。ルーファウスが乳首を吸い上げたまま硬い舌で乳頭をチロチロと弾くと、明確な刺激を求めていたみみは思わず胸を突き出す。

「映画で自慰とは…まったく、いやらしいな」

ルーファウスはそう言い、もう片方の乳首にも同様に刺激を送った。覆い地のないオープンカップが、吸い上げられ肥大した胸の突起を淫靡に彩っている。

「よく見ろ、みみ」

ルーファウスは体を寄せみみの耳元で囁いた。そこから全身に甘い痺れを走らせながら、みみはモニターに映る女性の蕩けた表情を見つめる。

「女の絶頂が近い」

ルーファウスの言う通り、画面の女性は間もなく切ない声で絶頂を知らせた。
後背位のピストンが激しさを増し、肌を打ち付ける音がスピーカーから部屋中に響き渡る。

『いくぅ…いく…』
「この格好なら尻の穴までよく見える」

画面いっぱいに女性の震える臀部が映し出される。絶頂し膣を収縮させているのが、肛門の動きで分かった。みみはごくりと唾を飲み込む。

ルーファウスは腰に回した手でみみの尻をゆっくりと撫でてやる。
ゆらゆらと揺れ始める尻の割れ目からは、既に透明の糸が垂れていた。無毛の秘部を晒すオープンクロッチの下着に、愛液をせき止める機能はない。

「見ろ、みみ。硬そうなペニスだぞ。まだ犯し足りないらしい」

そそり立つ男根が、絶頂を迎えた女性の秘裂からゆっくりと引き抜かれる。
濃厚な愛液を纏ったそれを、男はまた別の体位で突き入れてゆく。

そこから再び始まるセックスシーンに、みみの下腹部は疼くばかりだった。



ーー



映画を見終えた頃には、ソファに愛液の染みが広がっていた。

「あれだけの事でこんなに垂らしたのか?」
「ご、ごめんなさい…」

みみはアルコールで火照った顔を更に赤らめ、恥じらいに目を逸らす。口移しで与えられた赤ワインは、幾ら飲んだかなど知りようもない。
僅かに気怠さを纏った体を持ち上げ、ソファから立ち上がる。尻の割れ目から透明な愛液の糸が引き、みみの興奮の度合いを如実に示していた。

「映画でどれ程欲情したのか見せてもらおうか」

みみは分厚いグラステーブルの上にしゃがむよう命じられ、恐る恐る脚を乗せる。

ルーファウスは間接照明を点けると、しゃがんだみみの膝をグイと割り開いた。無理やり開脚させられ、みみは羞恥の声を上げる。
オープンクロッチからは秘裂が物欲しげに口を開き愛液を垂らしているのが窺えた。

「腕は上げておけ。胸がよく見える」

みみは羞恥で息を浅くしながら頭上で腕を組んだ。何とも恥辱的な開脚ポーズだ。ルーファウスはソファに腰掛けると、美術品を鑑賞するかのような風情でみみを眺めた。

「あぁ、綺麗だな…。映画の女優も悪くはなかったが、お前には劣る」

みみは視線をどこにやって良いか分からず、目を泳がせたあと瞼を伏せた。

「私を見ろ、みみ」

みみの潤んだ瞳がルーファウスを見つめる。薄明かりの中、ルーファウスは微笑を浮かべ、そしてまたワインを一口、口に含んだ。その妖しい色気にあてられ、みみはまたトロリと愛液を滴らせる。

「乳首もクリトリスもいやらしく育って…」
「るーの、せい…」
「ああ、そうだな。すべて俺のせいだ」

ルーファウスは誇らしげにそう呟きながら立ち上がる。みみは言われた通り、彼から視線を逸らさないよう顔を上げた。

「良い顔だ」

羞恥と興奮の入り混じった女の顔だ。ルーファウスはほくそ笑みながら、先程吸い上げて十分に勃起させた乳首を爪でカリカリと引っ掻いてやる。

「ぁ、あっ…」

それだけでみみの腰が砕けそうになるのを、ルーファウスはン、ン、と喉奥で短く音を鳴らして制した。

「こちらもすっかり濡れているな?」

脚の間に手が差し込まれ、みみは期待に息を飲んだ。しかし、その手は秘部をやんわりと覆うだけで、刺激らしい刺激を与えては来ない。

「ふ、ぅ…」

みみはそのもどかしさに涙を浮かべ、自ら腰を前後させた。ぬるついた秘部がルーファウスの指にずりずりと擦り付けられ、わずかな快楽を生み出す。

「ああ…みみ、可愛いな…」

開脚した腰をへこへこと動かすみみの情けない姿に、ルーファウスはこの上なく満足する。腰の動きは最早自分の意思では止められないようで、ルーファウスに皮肉られても尚、みみは腰を前後に揺らし続けた。

「だが、これ以上机を汚す気はない」

ルーファウスはそう言って秘所から手を離す。ぬちゃりと音を立て、愛液が何本もの糸を引いて離れた。

「あ、ぁ…」
「そう不満そうな顔をするな…。もう夕暮れ時だ、外を見てみろ」

みみをテーブルから下ろし遮光カーテンを開けると、眩しい光が室内に差し込んだ。夕暮れ時を迎えたコスタ・デル・ソルの海が夕陽で赤く染まっている。
みみがそれに目を奪われていると、おもむろに手を引かれバルコニーへと導かれる。ジャグジーには既に湯が張られ、コポコポと音を立てていた。
ルーファウスがみみの下着に手を掛け、それを剥ぎ取る。

「脱がせてくれるか」

夕陽に気を取られていたみみは、ルーファウスに向き直り体の熱を思い出した。言われるがままにシャツのボタンに手を掛け、上から一つずつ外してゆく。均整の取れた胸板が現れ、みみはごくりと喉を鳴らした。

「下もだ」

ベルトのないスラックスを脱がせるのは比較的容易だった。みみは既に股間を膨らませたルーファウスの下着に手を掛けた。

「ぁ…」

ぶるりと現れる硬いペニスに、思わず声が漏れる。もどかしい快楽を与え続けられた体は、どうしようもなくそれを求めていた。思わず手を伸ばしそうになる自分をみみは何とか制止する。

それに気付いてか否か、ルーファウスはフッと笑いみみをジャグジーへと導く。彼女を膝の上に乗せると、尻から腰のラインを確かめるようにじっくりと撫で上げる。夕陽に照らされた体は、美しい輪郭線を作っていた。

「陽の下で見るとまた美しいな」

みみはその言葉をうっとりと耳で受け取る。夕陽の色とは対照的な涼しい青の瞳が、自分だけを映していた。

どうして、ロマンチックに思えてしまうのだろう。どうして、この男に抱かれたいと願ってしまうのだろう。

「みみ…」
「ん…るー…」

その声に引き寄せられるように、みみはルーファウスへ体を預ける。首元から彼の香水がほんのりと漂った。逞しい腕が背中に回され、優しく抱き寄せられる。互いの体の熱を交換するような感覚。
みみはルーファウスの首元から夕陽が沈む様子を眺める。赤く情熱的な光は、先程映画で見た男女の交わりを彷彿とさせた。自分もあんな風に、抱いてほしい…。

みみはルーファウスの首元に顔をすり寄せ、首元にキスをした。ほんの僅かに見開かれた彼の瞳は、直ぐに細められる。腰の愛撫に応えるように、みみは彼の首筋に舌を這わせ始めた。

「ふ…」

アルコールと興奮の熱でぼんやりとした脳内に、ルーファウスの低い声混じりの吐息が響く。脚に当たる硬い陰茎の存在を意識しながら、みみは彼の首筋を何度も舌で往復した。

「みみ…」

懸命に自分を求め、ぎこちない愛撫を送ってくるみみに愛おしさを感じながら、ルーファウスは両手でみみの顔を持ち上げた。切実に何かを求める桃色の瞳を、しっかりと見据える。

「俺だけを見ていろ…」

余所見などさせるつもりはないが、ルーファウスはそう命じずにはいられなかった。

「ルーしか、見えてません…」

みみの両耳の穴に指が差し込まれたかと思うと、深い口づけが始まる。ぬるりと舌が侵入する音に、みみの腰が跳ね、湯船がパシャリと音を立てた。

「じゅる…ちゅ…」

耳を塞がれ、舌を絡める粘着音だけが脳内に響き渡る。みみは目を見開いた。彼の双眸はみみの瞳をじっと見つめている。

「ちゅ…ちゅる…」

舌が啜られる音と感触を同時に感じながら、まるで頭の中を犯し尽くされているような錯覚に陥る。みみの腰は無意識に揺れ、ルーファウスの肌に自身の体を何度も擦り付けた。互いの体の熱が、思考を溶かしてゆく。

お願い、抱いてください…。
その言葉を何度も口にしそうになるが、紡がれる前に情熱的なキスに全て飲み込まれてしまう。その執拗なキスはみみの意識が朦朧とするまで続けられた。