秋が深まり、赤や黄に色づいた木々が風に揺れる中、ルーファウス神羅とみみは静かな公園を散策していた。休日の午後をこんな風に穏やかに過ごせるのは、ルーファウスにとって貴重な時間だった。彼にとって、みみの隣にいるひとときこそが、忙しい日々を乗り越える糧だった。

「こんなに静かな場所があるなんて知らなかったです。」
みみは木漏れ日を受けながら微笑む。その笑顔を見て、ルーファウスの冷静な表情が少し緩む。

「人が少ない場所を選んだ。それに、君がこうしてリラックスできる場所ならどこでもいい。」

彼女の手に触れようとしたその瞬間、どこか鋭い視線を感じた。ルーファウスが素早く周囲を見回すと、少し離れた場所に派手なスーツを着た男が立っていた。

「またですか……」みみは顔を曇らせ、ため息をつく。その男は大手企業の御曹司、ライバル・エドワードだった。みみが学生時代に偶然知り合い、それ以降何度もアプローチされている相手だ。

エドワードはゆっくりと近づいてきて、ルーファウスに挑戦的な視線を送りながら口を開いた。
「みみ、こんなところにいたのか。君を探すのに苦労したよ。」

「探す必要なんてありません。」みみの声は冷たかったが、エドワードは気にする様子もなく、笑顔を浮かべている。

「こんな寂れた公園で時間を潰すくらいなら、僕がもっと楽しいところに連れて行ってあげるよ。」彼の言葉には明らかにルーファウスを挑発する意図があった。

ルーファウスは冷静なままみみの肩に手を置き、静かに言った。「彼女がどこで過ごすかは彼女自身が決めることだ。君の提案は不要だな。」

エドワードは鼻で笑い、「それはどうかな?彼女はきっと僕のほうがふさわしいと気づくはずだ。」と言いながら、一歩前に出た。

みみは困惑したようにルーファウスを見上げる。「ルーファウス、すみません。私がきっぱり断らないから……」

「謝る必要はない。」彼の声は低く落ち着いていたが、確固たる自信が滲んでいた。「彼女を守るのは僕の役目だ。」

ルーファウスはエドワードに向き直り、一歩踏み出した。その威圧的な存在感に、エドワードは一瞬たじろぐ。

「君は彼女にとって迷惑でしかない。これ以上の接触は許さない。彼女がどんな立場にあるかを理解しているなら、この場で引き下がるべきだ。」

エドワードは唇を噛み、しばらく言葉を探すようにしていたが、やがて苛立った様子でその場を去っていった。

静寂が戻り、みみがほっとした表情でルーファウスを見上げた。「ありがとうございます……本当に、あなたがいなかったらどうなっていたか。」

彼はみみの髪に触れ、そっと微笑んだ。「これからも僕がそばにいる。君を守るためなら、誰であれ排除する。」

風が吹き抜け、舞い落ちる枯れ葉がふたりを包む。ルーファウスは改めてみみを抱きしめ、冷たい秋の空気の中、彼女の温もりを確かめるように目を閉じた。

「君は僕のものだ。誰にも渡さない。」

その静かな誓いを胸に、ふたりは手を繋いで公園を後にした。枯れ葉が舞い踊る季節の中で、ふたりの絆はさらに強くなっていた。