豪奢なシャンデリアが輝くホール。関係企業のエグゼクティブたちが一堂に会するハロウィンパーティーは、ルーファウス・神羅の存在によって一層華やかさを増していた。だがその一角には、目立たぬように配置されたタークスの姿もあった。

***

「ツォン、社長はどうだ?」
会場の片隅で、レノが腕を組みながら問いかけた。

「いつも通りだ。」
ツォンが冷静に答える。その視線の先には、スーツ姿で堂々と会場を歩くルーファウスと、黒い魔女の衣装を身にまとったみみの姿があった。

「ふむ、しかし今日は特に彼女が目立つな。」
レノが皮肉を込めた口調で呟くと、ルードが無言で同意するように頷いた。

「彼女が注目されるのは分かるが、それが社長の機嫌を悪くしないといいがな。」
ツォンの言葉に、レノが軽く笑いながら言い返す。

「それも俺たちの任務だろ?社長がやきもきし始めたら、後始末くらいするさ。」

セクシーなみみに集まる視線
会場では、みみの美しい姿に男性たちが集まり、褒め言葉や軽いジョークを交わしていた。彼女は控えめに微笑みながらも、どこか所在なさげに視線を彷徨わせている。

「みみさん、さっきのダンス、素晴らしかったですね!」
「その衣装、あなたにぴったりですよ。」

次々と飛び交う言葉に、みみは礼儀正しく応じつつも、内心では早くルーファウスに助けを求めたい気持ちでいっぱいだった。

***

「ツォン。」
冷静を装っていたルーファウスが、低い声でツォンを呼んだ。

「何か?」
近づくツォンに対し、ルーファウスは軽く顎を動かし、みみの方を示す。

「他の男たちが、彼女にまとわりついているようだな。」
ルーファウスの声は穏やかだが、その目は冷たく光っていた。

「彼女が困っているようなら、間に入りますか?」
ツォンが提案するが、ルーファウスは手を振ってそれを制した。

「いや、俺が行く。それに、あいつらに一言伝えておいた方がいいだろう。」

タークスの監視の中で
ルーファウスはみみのもとへと向かい、さっと彼女の手を取った。

「みみ。」
彼の声がみみの耳に届いた瞬間、彼女の表情が一気にほころぶ。

「ルー…。」

「行くぞ。」
ルーファウスは周囲の男たちに視線を向け、一言も発さずにみみを連れ出した。

タークスたちはその様子を遠目で見守りながら、軽く息を吐いた。

「ほらな。社長、ちゃんと手を打っただろ。」
レノが言うと、ツォンが無言で頷いた。

「でも、あの表情、まだ完全に機嫌は直ってなさそうだな。」
「どうせあとは、みみさんがなんとかするさ。」

***

会場の隅のバルコニーで、ルーファウスとみみは二人きりになっていた。夜風が彼女の魔女の衣装を軽く揺らす。

「楽しんでいるか?」
ルーファウスの問いかけに、みみは小さく首を振った。

「正直、少し落ち着かなかった。でも、ルーがいてくれれば大丈夫。」

彼女の言葉に、ルーファウスは静かに笑みを浮かべた。そして、彼女の肩をそっと引き寄せると、耳元で低く囁いた。

「誰もお前に手出しはさせない。分かっているな。」

みみは頷きながら、その胸に顔を埋めた。タークスたちが見守る中、二人だけの時間がゆっくりと流れていくのだった。