薄暗い部屋の中、みみは眠りにつけずに天井を見つめていた。仕事の疲れが溜まりきった体が布団に包まれているはずなのに、心のざわめきが彼女を眠りから遠ざけていた。
隣にはルーファウスが静かに寝息を立てている。普段は完璧なまでに冷静で威厳に満ちた彼が、今は無防備な姿で横たわっていることに、みみはかすかに微笑んだ。

だが、その穏やかな時間は長くは続かなかった。

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「……みみ。」

彼が何かを呟いた。初めは甘い寝言かと思ったが、次第にその声は掠れ、不安に満ちていく。

「やめろ……みみを……触るな!」

突然、ルーファウスの身体が激しく動き始めた。彼の眉は深く寄せられ、額には冷や汗が滲んでいる。彼が見る夢の中で何が起きているのか、みみには分からなかったが、それが彼を苦しめていることだけははっきりしていた。

「ルー!」

みみは慌てて彼の肩を揺さぶった。

「ルー! 目を覚まして!」

彼の青い瞳がゆっくりと開かれると、夢と現実の境目で一瞬戸惑うような表情を浮かべた。その目がみみを捉えた瞬間、彼の肩が緩み、大きく息を吐いた。

「……夢、だったのか。」

「ルー、大丈夫? 何か怖い夢でも見たの?」

みみは彼の汗ばんだ額をそっと撫でながら尋ねる。

「……お前が、俺のそばからいなくなる夢だ。」

その言葉に、みみの胸が締めつけられた。いつも冷静で、自信に満ちた彼がこんなにも不安を抱えているとは思わなかった。

「私はここにいるよ。ルーのそばにいる。」

みみが柔らかく微笑むと、ルーファウスは不意に彼女を引き寄せた。

「そう言ってくれるのは嬉しい。だが……言葉だけでは足りない。お前が俺のものだってことを、もっと確かめたい。」

彼の声は低く掠れていたが、その中に込められた切実な感情は痛いほど伝わってきた。

「ルー……。」

みみは彼の不安を取り除きたいと思った。そして何も言わずに、彼の頬に手を添え、唇を重ねた。

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その夜、みみはルーファウスを抱きしめながら眠りについた。彼の腕に包まれたまま、彼の安堵した寝息を聞きながら、自分が彼にとって必要な存在であることを改めて感じた。

ルーファウスもまた、隣で眠るみみの存在を感じながら、安心とともに深い眠りへと落ちていった。