ルーファウスは、みみの寝顔を静かに見つめていた。控え室の小さな照明が柔らかく彼女の顔を照らし、その穏やかな表情に目を奪われる。アルコールのせいか、いつもより少し無防備な彼女の姿に、彼の胸には愛しさと守りたいという感情が渦巻いていた。

そっと握った彼女の手は、小さくて温かい。自分の手が彼女を完全に包み込めることに気づき、心がじんわりと満たされるようだった。しばらくそうしていると、みみが薄っすらと目を開けた。

「…ルー?」
まだ少し眠たげな声で彼女が囁く。目が合った瞬間、彼の顔に安堵の笑みが浮かんだ。

「起こしたか?」
「ううん、大丈夫…でも、どうしてそこに…?」
「お前を置いていけるわけがないだろう。」

みみは目をぱちぱちと瞬かせ、彼の言葉の意味を噛みしめるようにしていた。酔いが少しだけ覚めたのか、顔にほんのり残る赤みがさらに愛らしく見える。

「…ごめんなさい、私、迷惑かけちゃって。」
「馬鹿を言うな。お前の面倒を見るのは俺の役目だ。」

彼の低く穏やかな声に、みみは少し恥ずかしそうに微笑む。ルーファウスは彼女の頬にそっと触れ、その温もりを確かめるように指先を滑らせた。

「でも、みみ。次は気をつけろ。もし他の男が今日の俺の役を代わっていたら…それを想像するだけで腹立たしい。」
彼の言葉に、みみは瞳を見開いた。そして、ふいに彼の胸に顔をうずめた。

「…そんなこと、ありえないです。私が頼れるのは、ルーだけですから。」

彼女の言葉に、ルーファウスの表情が一瞬だけ柔らかく緩む。そして、彼はそっと彼女の肩を抱き寄せ、自分の胸にその小さな体を収めた。

「ならいい。お前は俺のものだ。誰にも触れさせるつもりはない。」
「…ルーも、私のものです。」

みみの囁きが彼の耳に届き、彼は思わず微笑んだ。控え室の静けさの中で、二人だけの時間が穏やかに流れていく。ルーファウスは彼女の額に優しく口づけ、さらに自分の存在を伝えるように、もう一度抱きしめた。

「俺たちはずっとこうしていられる。」
「うん…ずっと、一緒に。」

眠りに落ちるまで、ルーファウスは彼女を見守り続けた。その夜、彼の心にはただ一つ、みみへの深い愛情が刻まれていた。