いつかその掌が届いたら3
落とす言葉もなくなって口をつぐむと、ダリルの掌が私の頬から離れた。
「・・・シズク、」
大きな手は私の髪に触れて、頭の形を確かめるように流れる。
キスをするために引き寄せられた私の頬には、気づかなかったけれど、涙が流れている。
「・・・いい、お前だけが悪いわけじゃない。」
「・・・ダリル、」
一度だけ触れた唇は、私の眼の前にとどまっている。
ダリルの眼は優しくて、覗き込まれればまた涙が溢れた。
「俺も、お前も、」
ぐい、と引き寄せられて、ダリルの胸に沈む。
「生きて、求めるのが、悪いわけがない」
低い声は心地よくて、耳をくすぐった。
「ソフィアも助ける。俺達は・・・生きていく。それでいい」
少しずつ紡ぐ言葉が、私の心をほどいていく。
許されたくて言ったわけじゃないけれど、心が軽くなっていくのを感じた。
「・・・お前は・・・シズク、ここにいて、いい。」
「・・・!」
ぶっきらぼうで、優しい言葉。
私は嗚咽をこらえきれず、彼の胸で更に泣いた。
少女が見つかって、
私たちは生きていって、
彼の言葉通りになったら、
その時、私は私を許せるのだろうか。
背中を撫でるダリルの手が、泣き止まない私をいつまでも慰めていた。
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