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俺は言うなれば″裏切り者″
そう言われてもおかしくない行為をしたと思ってる
山王には…いられへん…
それが俺の答えやった…
広斗の家を離れ、バイクでゆっくりと家に向かって行った。あの後何回かコブラからの電話はあったが…出ていない。怖くて…出られへんかった…
昼過ぎになってようやく着いた山王街
人で賑わい子供達が走り回り
老人夫婦がゆっくり歩いていたり
もう…この光景を見ることも無くなるんかな
「…はよ、帰ろう…」
…荷物だけまとめて…家から出ず…
広斗の迎えを待とう…
家に着いて裏口から中に入り軽く荷物の整理、そして貼り紙を用意する…閉店したと告げる…貼り紙や。意外と早く終わってしまった…案外、こんなもんなんかな…
チラッと視界に入った…写真立て
山王メンバーで撮った写真や
「…あかんわ」
それは…持ってけへん
伏せるように写真立てを倒して…準備は整った
さて…どないしよう…
まだ5時間以上あるな…
…寝ていよう
そう思った瞬間…
ガンガンガン!!
「、へっ!?」
店のシャッターからいきなり大きい音がした
誰かが叩いたんやろう
思わず変な声で驚くとピタッと静かになる音…
な、なんやったんや…っ?
「…おいダン!いるんだろ!」
「!へ……」
そ、その声は…
「聞こえてんだよ声!早く開けろ!」
「な、直美…!」
まさかの声の主は直美で…俺が声を出した事でいる事に気づき更に大きな音を立てて叩いてきた。慌てて裏口から出てシャッターの方へ向かえば人を殺しそうな目でシャッターを睨んでた…怖い…マジで
「…!ダン…」
「あ…な、直美、さん…?あ、あの…そ、そない叩くとシャッター壊れるから…」
「ダンが出てこないからだろ…」
「あ…えと…」
「…どこ行ってたんだよ」
それは…返答に困る
俺が一瞬口を紡ぐと直美は俺の腕を掴んで歩き出した
「!?ちょ、直美!?」
「…店行くよ」
「!い、いや今日は、その…1人でいたい、かな…?」
「コブラもヤマトもいないから」
「…!」
「…二人きりで、話がしたいんだよ」
「…直美?」
「…」
「…分かった」
「…見つけた」
「…コーヒーでいい?」
「ありがとな…」
「…あのさ、ダン」
「…おぅ」
「…昨日、コブラに告られた」
「…え、?」
「…此処にいつもみたいにみんながいて…突然言ってきやがった」
「…っ」
「そ、そっかー!よ!良かったやん!あ、いつ無口やけど仲間思いやしイケメンやしお似合いやで!!」
「…」
「本気で言ってんのかよ…」
「…ほ、本気でい、言うてる」
「嘘つくんじゃねぇよ!何でそんなこと言うんだよバカ!」
「ば、バカって…」
「コブラの事…好きだったくせに…っ!」
「…!!」
「な…なんで」
「…分かるんだよ言わなくても…あたしには」
「…っ」
「…そっか…知ってたんや…」
「…でも、安心せぇや。俺は…コブラとそんなん…なるつもりないから」
「…あたしは…フッたよ」
「そっかフッたんか……え!?えええ!?」
「な、なんでフッてんねん!!?コブラほどええ男おらんやろ!!なんでや!!」
「あたしが好きじゃないから、それ以外の何でもねぇよ」
「お、おぉ…マジか…っ」
「…あたしは…他に好きなやついるし」
「…え!?ほんまか!?誰やねん!」
「…ぜってぇ言わねぇ」
「なんでやねん!!」
「…だってソイツ、あたしは眼中に無いし…」
「嘘やろ…直美ほどええ女おらんやろ」
「!…あたしがいい女?」
「せやん。やって料理も出来るし、ちょい乱暴やけど可愛ええとこあるし、なんだかんや優しいやんか」
「…っ」
「…なんで、そんな事言うくせに…っ」
「…え、?な、直美?な、何泣いてんねん!!どないした!?お腹痛いん!?」
「うっせぇ…っ、ばかっ、ばか…っ!」
「あぁ…っ、ど、どうすれば…っ、!」
「…ほん、と…っ、鈍いんだよばか…っあたしは…っ!」
コンコン
「「…!!」」
「、誰だよ…っ、」
「…!直美待てや!開けんな!!」
「、え?」
「仲間やったらノックなんかせぇへんやろ…」
「!」
「そう!せいかーいです」
「!!直美!!」
「!!ダン!おい、ダン!ダン…っ!!」
「ゆっくり眠っとけよ…テメェはただの"駒"なんだから…」
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