♭ 白石くんを地獄に落とす 続 気が付けば俺は船に乗っていた。木材で出来たような古びた船。慌てて起き上がって周囲を見渡すものの広がるのは薄い霧、気味の悪い薄紫の靄。ふと前を見ると大きな砦がある。 その船を漕いでいるのは…真っ黒い髪の毛が腰のあたりまである、俺よりも小さい女の子やった。 「ここ、どこなん…?」 「……地獄に続く道」 「は?じ、地獄ッ…!?何でっ…!?」 何の冗談かと思いもしたがこのただならない風景からして嘘ではないのだろう。その少女は真っ赤な瞳を俺に移す。 「貴方が、地獄に流されたから…」 何で? その言葉は声には出なかった。それと同時に少女の船を漕ぐ手が止まり、靄の中を指差した。そこに幼馴染の名前の姿が映る。 「っ…」 「あの子が貴方を想う純粋な恋心が…」 名前の姿から目が離せない。笑っている。アイツ、俺にこんなことをして笑っている。その笑顔からは狂気を感じた。そして何を持っている?ナイフか?包丁か?アイツが手に持つキラリと光るソレは、 「ちょっと…歪んでしまっただけ…」 光りを失い、真っ赤に染めた。 「うわぁあああ!!!」 「……あの子も迎えに行かなきゃ…」 蔵ノ介… 蔵ノ介、どこ…? お願い、どこにも行かないで。私を置いて行かないで… あ、蔵ノ介… 「みいつけた」 end ----- 地獄少女パロ続編で。 ひっそりと拍手夢に載せてました。 |