からっぽになった部屋には、凍えた空気がつまっている。ひとりで眠るベッドというのは、ひどくひさしぶりだった。伸ばした手は虚無をつかむばかりだし、素足の裏はシーツの皺を感じることができないくらいに悴んでいた。「ねえ、おやすみを言ってよ」オレは、真っ暗闇に取り残されてしまった。
『明日が怖くなった』真波山岳