「椿くん椿くん」「はいはい、なんですか」呼んでみただけ、そう告げると椿くんはまばたきをひとつして、そうですかと微笑んだ。椿くんの熱っぽい視線から逃れたくて、私は壁掛け時計に目を向ける。クロノスタシス。一秒がうんと長く感じた。「…大介くん」今度は私が、大介くんの時間を止めてあげる。
椿大介