かちゃり、と万華鏡が模様を変える音がする。新八っつぁんやら左之さんやら、にぎやかな連中が酒を飲みに出払った屯所はひどく静かだ。「今夜は月が明るいから、このなかもとても綺麗なの」そう言っておまえが微笑むから、決して安い買い物ではなかったそれを買ってよかったと思えるし、女に酒を注いでもらう一夜の幻想を見るよりも、おまえと一緒にこの小さくもきらびやかなせかいを覗いていたいと思った。


藤堂平助と万華鏡