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    鬼舞辻無惨は、打ち倒された。
    こう語ると呆気ないように思えるかもしれないが、それはもう壮絶な戦いであった。

    協力者である珠世と愈史郎の手により完成した薬で、太郎と梅の体は人間へと戻った。

    太陽の光をたっぷりと浴びて、生き残った隊士達と抱き合って喜んで、これから何して生きていこうかと二人で笑いあった。

    母さんの子は強かっただろう、神も仏も見たことがないと言う鬼舞辻無惨の、間抜けな顔!

    自分の配下だと思っていた鬼が、まさか逃れていたとも知らず。そして吉原の守り神と呼ばれていた事も知らず。
    本当におかしいったらありゃしない。

    アハアハと笑いながら、太郎と梅は吉原に帰った。
    今はもう無い、母と過した遊郭のあった場所を買い取り、神社を建てて、かつての自分、妓夫太郎と堕姫を祀った。
    そしてこの神社に仕える神主と巫女となり、穏やかな余生を過ごすことにした。

    妓夫太郎と堕姫が悪用されないように。過去の過ちを繰り返さないように。

    戒めとして遺していくことに決めたから。

    「お兄ちゃん、幸せってこういうことなのよね」

    「あァ…そうなんだろうなァ。」

    吉原神社には、参拝客が多く訪れる。
    遊女やその客も来れば、かつての鬼殺隊士も訪れては太郎と梅の顔を見ていく。
    かつての戦友たちは今やただの友でもあったから、毎日穏やかに過ごして、参拝客の悩みを聞いて、友人たちとの歓談を楽しんで。


    母さんへの土産話を目一杯用意して、また抱きしめてもらいに行くのだ。



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