no.-1


カツン、カツンとロゼの履く黒のリボンがついたパンプスが大理石を叩く。
明け方の教団は誰一人おらず、ロゼの靴音以外音はない。息を吐くことすら憚られるほどの静寂だった。
夜明け前の空のような薄明るさがその静寂をさらに際立たせる。

生きたいと思うことが罪だったのか。
生まれたことを謝れば赦されるのか。

ロゼにはわからなかった。
その答えはわからないまま、時は止まることなく過ぎ去って
大事なものを奪っていく。



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