夢と現実

小さい頃、体が弱くて外に出れなかった私を笑顔にしてくれたのはいつもお姉ちゃんだった。

お姉ちゃんとはいろんなボードゲームをしたけど
やっぱりトランプを使うゲームが一番好きだったなぁ。
ゲームに勝つとマジックを1つ見せてくれた。
お姉ちゃんにはなかなか勝てなかったけど
カードが消えたり、増えたりするのがすごくて
私もお姉ちゃんみたいにカードを上手く扱ってみたくなった。
それで今度は私がお姉ちゃんを笑顔にするんだって夢見てた。

「ブラックジャック。」

「残念、また負けた。
勝ってデートに誘うはずだったのに。」

「そう言ってもらえて嬉しいです。
早く私に勝ってくだいね。」

そんなに器用ではない私がここまで来れたのは
お姉ちゃんが私にカード遊びを教えてくれたから。
目的を果たす為にディーラーとして稼がせてもらう。

「今日はもう上がってもいいよ。
来週VIP入るからよろしくね。」

「わかりました。お疲れ様です。」

1度は居場所が無くなった。
暗闇に落とされて何も見えなくなった。

「今日は早いんだな。」

「左馬刻さん!何で?」

着替えを終えて外に出れば
車に背を預けて煙草の煙を纏ってる左馬刻さんがいた。

「迎えに来たんだよ。
銃兎の野郎がミーティングするっつーから。」

「あ、本当だ。連絡来てました。
待たせてしまってごめんなさい。」

「いちいち謝るな面倒くせぇ。」

「ごめんなs、あ…。」

「いいから乗れよ。」

「はい。」

会長に拾われて、左馬刻さんに出会って
いろんな私が生まれた。
知らなかった世界を見て震えた。
知りたかった事が目の前で燃えて喚いた。
私が私である事を忍んだ。
青い炎を心に灯した。

「腹は?」

「少し太ったかも…しれ、ない、です…。」

「んな事聞いてんじゃねぇよ。
飯食うか食わねぇか聞いてんだよ!」

「あ!えっと、食べます!
ガツガツ食べます!」

「ふっ、また肥えんぞ。」

そう言いながらファストフードのドライブスルーに入って
私が好きなチーズバーガーとポテトセットを頼んでくれた。

「銃兎に言うなよ?アイツうっせぇから。」

「はい。ありがとうございます。」

左馬刻さんにポテトをお裾分けしながら事務所につくまでに食べ終えた。

「おや、案外早かったんですね。
…ん?口にケチャップがついてますよ。」

「え!ちゃんとバレないように拭いたのに!」

「馬鹿、引っ掛かってんじゃねぇよ。」

「左馬刻、餌を与えるなといつも言ってんだろ!」

「なんだ腹が減っているのか。
暫し待ってろ、今ハトを撃ち落としてくる。」

「stop stop stop!
落ち着いて下さい理鶯、先にミーティングを始めましょう。
ご飯なら手配済みです。」

お仕事柄見た目は怖いけど、優しい左馬刻さん
時々細か過ぎるけど、先回りしてみんなの為に動いてくれる銃兎さん
ワイルドで皆様にお届けできない映像が多々あるけど、力強くて私達を護ってくれる理鶯

「どうした、座らないのか?」

「貴女が来ないと始められないんですが?」

「さっさとしろよ。体重くて動けねぇのか?」

「左馬刻さん!」

また、笑ってほしいと思える人に出会えた。

19.10.03
23.08.14 最終編集