「なまえ〜ちゅーしよーぜー」
『…ここ思いっきり外なんだけど?やだ。バカップルとか思われたくないもん』
「おかたーーい!なんで?俺は気にしないのに!」
『わたしが気にするって言ってんでしょ!』

なまえは何というか異性慣れしてなくて(俺もだけど)付き合い始めてもガード固いまんまで手つなぐまで一ヵ月かかったしキスも触れるだけのやつを数回しかしてない。もちろんその先もなし。俺だって男の子だから好きな子といちゃいちゃしたいって思うんだよね。なんでだめなの?そんなに周りが気になる?二人っきりのときだってキス以上のことはさせてくれないじゃん。なに「まだダメ」っていじらしすぎるしいつになったらダメがいいに変わるのよ。

「はぁ〜俺さみしいよ。俺もっとなまえとラブラブしたいのに。なんで彼女いるのにこんなさみしい思いしなくちゃなんないわけ」
『…そんなに?手つないであげるから昼間の公園でキスは勘弁して』
「足りないよ〜。じゃあぎゅーさせてよ。いいでしょ?」
『やだやだ。こんなとこで悪目立ちしたくないの」
「なんだよそれ」

ちょっとムッとする。なに悪目立ちって。そんなに嫌かよ。まわりにいる人といったら砂場で遊ぶガキと日向ぼっこしてるじいちゃんぐらいじゃん。

「…見られなければいいわけね」
『は、ちょっ待って!なに!?』

なまえの腕をつかんで強引に森の中まで連れていく。緑の多い公園て素晴らしいね。

「ここならいいでしょ?誰も気づかないよ」
『…そういう、問題じゃない』
「…そんなに俺とキスするのいや?」
『い、いやとか言ってない!』
「じゃ、なんでだめなの?」
『は、恥ずかしいから』

あ、かわいい。

「俺はこんなになまえのこと大好きなのになぁ」
『わ、わたしだっておそ松くんのこと大好きだって』
「へへ、でも俺とキスすんの恥ずかしいんだろ?」
『好きだからドキドキしちゃうって話でしょ!?ほんとバカなの!?』
「あーやべ、我慢できないや。いいよね?」

壁ドンならぬ木ドンをして彼女に迫りそっと顔を近づけると、観念したかのようにしぶしぶ目をつむるなまえ。ほんと男慣れしてないよね。キスするだけなのに震えちゃってさ。まぁ毎度緊張するのは俺もだけどね。

『んっ…』

なまえは無自覚なんだろうけど、こんなかわいいキスでそういう声だすのやめてもらえないかな?いや、いーんだけど、心臓に悪いよね。だから、許してね?

『!…んぅ!?』
「声あげないで。人きちゃうかもよ?」
『や、だ、聞いてないこんなの…んっ』
「なまえ、かわいいよ」
『…っ!!』

初めての触れる以上のキス。口の中にベロいれるだけでこんな背徳的な気分になるのな。なんかすげー水音もやらしいし二人して顔真っ赤にして息あげちゃってまるでセックスしてるみたい。

『はぁ…はぁ…おそ、松くっ…』
「だからそうやって俺を煽るのやめろよ」
『あ、煽ってなんかない!』
「じゅうぶん煽ってるよ…」

あとちょっとだけ、と言ってもう一度口の中を犯してやった。なまえの体がびくびくと震えてすごくやらしい。目に涙を浮かべて頬を紅潮させて上目遣いで見上げてくるなまえを煽情的以外にどう形容しろというのだろう。

「…感じちゃったの?なんかすげー息荒いし体びっくびくしてたけど?」
『…はあっほんとにもぉ…驚いただけだもん』
「嫌だった?」
『いちいち聞くのがいや』
「素直じゃなーーい!俺すっごい気持ちよかった!手つないだり普通のちゅーもいいけど今までのなかで最高だった」
『ふぅん…』
「でさ、俺のおそ松さんがちょっと元気になっちゃったんだよね」
『…は?』
「なまえももじもじしてるし物足りないんだろ?初めてが青姦でも俺はいいけどなまえは嫌だろうからこれからホテルいかない?」
『ほんと最低!!!!テンションだけの脳みそ下半身人間!!!わたしはもう帰ります!おひとりでどうぞ!!!』
「ひとりでってどんなプレイ…あ、ちょっとお?」

まじで行っちゃった。なんだよ〜気使ってやったのにィ。仕方なくなまえのあとについていく。

『なに?わたしもう帰るんだけど』
「わかったわかった。ごめんって。家まで送るよ」
『……!!い、いい!やめて!ひとりで帰れるから!』
「なになに〜?何をそんなに警戒してるの〜?いや、ナニを期待してるの〜?」
『もうやだこの歩くセクハラニート甲斐性なし!変なことしたら許さないからね』
「はいはい」

なんだかんだ言って俺が家までついてくことを許しちゃうなまえほんとかわいい。何かを期待したお前の顔を俺は見逃さなかったよ。キスすごい気持ちよさそうだったもんね。大丈夫。俺はきみが嫌がることは絶対にしないから。



end.