クリスマスの日。
テレビも外も明るかった。近くの住宅にはチラホラと家に飾ったイルミネーションが見えた。
「寒い」
家にずっといても気分が上がらない。すっごくイライラする。
お母さんに散歩に行ってくると行って外を出た。
外は寒くて、すぐに帰ろうとしたけどそれさえも面倒でとりあえずあの公園に行ってみることにした。
氷雨の家に行った昨日。
だいたい18時頃に氷雨の母親が帰ってきた。
氷雨の母親は、私のことをとても歓迎してくれた。初めての友人訪問に驚いていたが喜んでいるのは確かだった。
氷雨の母親は夕飯を食べていってくれと言ってきたので、お言葉に甘えて食べて帰った。これしかないとカレーだったがとても美味しかった。
「寒いな」
雲が薄く空を張っている。
明日は雨かなと山道を登った。いつもは下り坂だからとても疲れる。
「ふう」
息を出してから、あの自販機で買ったカフェオレを飲んだ。
公園には、砂に埋もれた鼈甲飴があった。冬の今、風もそんなに強くなければ砂も舞わない。鼈甲飴は動かずそこにいた。
ベンチに座り横を向いた。フェンスの向こうの街はきっとカップルで溢れているだろう。
そういえば、この前3人で恋人の話をしていたな。と思い出した。
氷雨と霧氷は美人だから恋人探しに困らないだらうと考えていたような気がする。
カフェオレの小さいペットボトルを振って、キャップを開けた。少しの湯気とほろ甘いカフェオレの香りが出てきた。
一口飲んで、ふうと息をついた。
気分は少し落ち着いたが、そうそう治るものではないと学習している。きっとそういう諦めのことを昨日、氷雨は言いたかったのだろう。
氷雨。
初めて会った時から印象はあまり変わっていない。1つ変わったのは、彼女は基本的に食べる人だということ。
昨日の夜ご飯も普通の量の私より多めのカレーを食してた。公園で遊ぶ時もいつも飴とかチョコを食べている気がする。
細い体のどこに入るのかといつも疑問だ。
カフェオレを両手で包むように持って手を温めた。手袋を持ってこればよかったと思った。
イヤホンからは大好きなバンドのラブソングが流れている。
赤いマフラーに顔を埋めて縮こまった。
何分かしてから、ベンチから立ち上がった。これ以上いたら凍え死んでしまいそうだ。
曲は最初に聞いていた曲から4曲目に入っていた。
カフェオレを飲んで、ゴミ箱へ捨てた。
いつもの帰り道を1人で歩くのは初めてで、なんだか寂しくなった。
隣に白銀が無いだけで、こんなにも私の世界は寂しくなるのかと、どこか、胸が痛んだ。
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