あの青い薔薇の花びらは窓の外にたまっては、風で消えていた。
どうすることもできない。花びらがやむことはないだろう。
嫌いになれない。あの子は死んでしまう。私の想いは届かない。それでも、嫌いになれない。諦めているのに、諦めきれない。

氷雨。

白銀のあの子は私をどう見ているんだろう。
紫陽花色の瞳で私をどう見ているのだろうか。友人としてでいい。一番の友達になられればいい。それでいい。
赤紫色の形の整った唇で、私の名を呼ぶ。それがどれだけ、胸を締め付けられているか。

すきだよ。氷雨。
私は、あなたが好き。白銀の髪に惹かれる。紫陽花色の瞳に惹かれる。あなたの全てに惹かれた。

明日には、白銀の雪が積もる。
朝まで、降っているかはわからない。冷たい雨はあの日以来降っていない。降らないで欲しい。頭が痛くなって、泣きたくなって、どうしようもなくなったら、私は、どうすればいいのかわからなくなるから。鼈甲飴は止まらない。青い薔薇も止まらない。のどか苦しい。目尻も苦しい。あなたを想うことが苦しい。


この苦しさは、きっと永遠なんだろう。
鼈甲飴も、青い薔薇も、きっと、この胸の熱さも消えることはない。

外は雪が降り始めた。
その冷たい雪でこの想いを冷やしてくれ。夜に浮かぶ白い雪をずっと見ていた。
窓を開けると冷気が、スッと入ってきた。
窓の外に青い薔薇と鼈甲飴を捨てた。部屋の明かりに照らされて、雪も花びらも鼈甲飴も見えた。

綺麗だな。と眺め。なんだか、惨めだなと思い。外に向かって息を吐いた。

 

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